17-5
昌幸は木の壁に作られた普通サイズのドアがあることを桃太郎たちに教えました。そして昌幸はドアをノックして
「ごめんくださーい」
と言ったのです。
壁の向こうから
「どちら様ですか⁉危険ですか⁉」
と妖怪の声がしました。
「村長の昌幸です。危険ではありません。安心安全の昌幸でございます」
昌幸は答えました。
「本当に昌幸ですか⁉合言葉を言いなさい!」
壁の向こうから妖怪が言いました。
「はい。石橋を叩いて渡らない、急いでも回らない、備えあればうれしい・たのしい・大好き!」
と昌幸は合言葉を言いました。
そうすると、お社の壁に据え付けられた扉が開いてタヌキ妖怪のコンスタンティノープルが出てきました。昌幸の言うとおり、コンスタンティノープルはタヌキの妖怪でした。大きな体を茶釜の形をした鎧で包んでいます。胸のあたりに丸い鏡が紐でつるされていました。そして手には大きな木槌を持っているのです。
「たしかに村長の昌幸だが、知らない者どもがいっぱいいる!?」
コンスタンティノープルは桃太郎たちを見て驚きました。
「ハッハー!騙されたなコンスタンティノープル!安全なんてどこにもありゃしないのさ!人生はいつでもギャンブル!ハイリスクハイリターン!」
昌幸はギラギラした笑顔でコンスタンティノープルに向かって言いました。
「こわっ!」
コンスタンティノープルは素早くお社の扉を閉めて籠城してしまいました。
「しまった!中から閂をかけられてしまいました!」
昌幸は頭を抱えました。昌幸は村長だと言うのに実にうっかり者のようです。




