17-3
「案外悪いことばかりでもなさそうだけど?」
と桃太郎が言いました。
「程度の問題なのです。奴の要求はだんだん過剰になっていっています。俺たちで追い出そうとしたのですが、奴はとても強くてかなわない。奴は大工仕事に使う大きな木槌を武器に使います。とても力持ちですし、奇妙な妖術で俺たちを惑わせます。どうか奴をやっつけて村から追い出してもらえないでしょうか」
信之は桃太郎に頼みました。
シェリーが
「桃ちゃん、村の人たちかわいそうだわ。助けてあげて」
と桃太郎に言いました。
「シェリーはいい子だ」
桃太郎は斜め後ろを振り返って言いました。しかしその様子は昌幸と信之には桃太郎が何もない空間に話しかけているようにしか見えなかったのです。
「そうよ。そして一緒に正しい行いをする桃ちゃんもいい子なの」
「うふふ、僕はいいフルーツか。シェリーはいいポルターガイスト」
「なにそれ」
桃太郎とシェリーは二人で笑いました。
昌幸と信之は桃太郎が一人で話して笑う光景に戸惑いました。
「信之や、はたして桃太郎さんは赤いキノコを食べてしまったのだろうか」
と昌幸が言いました。
「そのとおりだ。桃太郎さんは都の方から来た。きっと都会の若者は赤いキノコに簡単に手を出してしまうのだ」
信之が言いました。
アレキサンダーは信之の背中を手でさすって彼を見上げながら、歯を剥いてニヤリとしました。
「桃太郎のことは気にしないでくれ。彼は時々あのようになるんだ。それよりも時間が惜しい。妖怪退治をしてやるから案内を」
とナクラが言いました。




