15-11
勉三は近くの小川に作ってある川魚の養殖池から魚を獲り、納屋からキノコと山菜を取り出して宿に戻ってきました。
勉三の宿は勉三自身の自宅にお客さんを泊めているだけのことで、部屋は一つしかありませんでした。勉三は桃太郎たちのためにキノコ汁と焼き魚を作ってくれました。
桃太郎たちは夕食を美味しくいただきました。勉三もお酒をちびちび飲みながら一緒に食べました。
桃太郎は食事をしながら横にいるシェリーに
「あまり気安く人体に、いや、フルーツにポルターガイストを叩きこんじゃダメだよ」
と言いました。
シェリーはちょっと頬を赤くして唇を尖らせた可愛い拗ね顔を桃太郎に見せました。
「どういうこと?」
桃太郎は笑いました。
勉三の目には桃太郎が何もない空間に笑顔で話しかけているようにしか見えません。彼は桃太郎の健康状態を心配して
「お前さんは間違いなく赤いキノコを食べてしまったんだね。水をいっぱい飲むんだ。そして気持ちをしっかり持つんだよ」
と言いました。
アレキサンダーは勉三の背中をポンポンと叩いて歯を剥いてニヤリと笑ってみせました。
桃太郎もナクラも動物たちも勉三の美味しい料理にすっかり満足しました。
お腹いっぱいになりみんながうとうと眠たくなったころ、不意にべルナドットがソワソワ落ち着かなく歩き回り、
「ぅおおお、うおおおおぉん!」
を鼻先を上に向けて妙な声で吠えました。




