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力之助の後ろに立つ男が目を丸くしながら
「妖怪退治した若者とはあんたか。こんな早朝から赤いキノコをキメてバールを振り回してるなんて、確かに尋常な者ではないようだ」
と桃太郎に言いました。
「あんたはいったい?」
桃太郎が男に尋ねました。
「俺は飛脚さ。昨日の夕暮れにこの村に到着したんだ。そうしたらお前さんたちが妖怪を退治してくれたって、みんな大喜びでな。おかげで俺もただで泊まらせてもらえて、晩飯も酒もごちそうになった。すっかりお前たちのおこぼれにあずかったというわけだよ。ありがとう」
飛脚はお礼を言いました。そして飛脚は荷物が入った箱がくくり付けられた棒を肩に担いで
「それじゃ、俺は仕事があるんでお先に」
と走って村を出て行きました。
飛脚が走り去った後、力之助は桃太郎に
「あんたたちは恩人だ。少しだがこれを。金と食料だ」
と小袋を二つ手渡してくれました。
空き家から、ナクラと動物たちが起きてきました。
桃太郎たちは力之助に別れを告げてまた旅路につきました。
桃太郎たちよりも先を、飛脚は足早に進んでいました。彼の担いだ箱の中には手紙や人の顔が描かれた紙などが入っています。人の顔が描かれた紙、それはナクラの手配書でした。




