14-13
「まいった。ワシの負けだ」
ビスマルクは両手を挙げて降参しました。鏡に宿って偽物の神様になっていたビスマルクは終わって、普通のカエル妖怪に戻ったのです。
ビスマルクは桃太郎に手の中に収まるくらいの玉石を差し出しました。それは首に掛けられるように紐を通されていて、日の光を受けてキラキラ輝います。
「これはワシが長い時間をかけて妖術を込めた玉石だ。お前にやろう。一度だけ雨風の妖術をつかうことができる」
ビスマルクは言いました。桃太郎は玉石を受け取りました。
桃太郎たちが妖怪を退治するのを遠くから見ていた村人たちが大喜びしながらやってきました。
「カエルちゃん、あなたは妖術で雨を操れるのだから、それで人間を手伝ってお礼にご飯を貰えばいいのよ」
シェリーがビスマルクに言いました。
「鏡に宿って神様になっていれば雨も降らせることができるが、普段のワシではたいしたことはできない、にわか雨くらいだ」
ビスマルクは申し訳なさそうに答えました。
「妖怪はいったい、誰と話しているんだ?」
力之助が首をひねりました。
「カエル妖怪は仕事をする代わりに人間からご飯を貰いたいけど、神様じゃなくなったからにわか雨しか降らせられないそうだ」
ナクラが力之助にビスマルクの言い分を説明しました。
それを聞いた力之助が
「いやいや、にわか雨だって十分だ。それでももし水が足りなくなったら、みんなで話し合ってなんとかする。俺たちは最初っからそうしなければならなかったんだ」
とビスマルクに言いました。




