第74話:12時間前、まだ独房で死刑を待っていた彼
真夜中の12時(12時間前)。
死刑囚の独房で、大佐は冷静に自分の残り時間を数えていた。逮捕されてからの三年余り、大佐は何度も何度も、自分の無実を証明してくれる者が現れることを期待した。しかし結局、誰も彼が最も無力で、最も助けを必要としている時に手を差し伸べることはなかった。
彼も一人の人間である。これほど不公平な扱いを受けて、怒り、後悔し、泣いたこともあった。しかし感情が落ち着くと、他人の事情も理解できるようになり、もう文句は言わなくなった。
一方で、ソフィーが自分を待っていてくれるなどという過分な贅沢を望む勇気はなく、彼女への想いをできるだけ押し殺そうとした。しかし、抑え込もうとすればするほど、ますます忘れられなくなっていった。
突然、独房の扉が開いた。扉の向こうには三人の男が立っていたが、逆光のせいでその顔は見えなかった。
時は既に深夜。この時間に独房の扉が開かれるのは、決して普通のことではない。
(いよいよ、か? まだ四日は残っていなかったか? しかし、あと四日生きたところで、苦しみが四日分増えるだけだ。いっそここで潔く散るのも悪くない)
大佐は自分の運命を素直に受け入れた。しかし、三人が独房の中に足を踏み入れると、次第に彼らの顔がはっきりと見えてきた。そして大佐は、運命の歯車が動き始めたのを感じた。
訪れた三人のうち、左側にいるのは昔の部下のクラウスだった。今はアンドレと名乗っているらしい。大佐には、かつて自分を裏切ったクラウスが、なぜこの時間に現れたのか理解できなかった。右側にいるのは旧友のリオンだった。彼の存在に、大佐は少し安心感を覚えた。左右の二人は刑務官の制服を着ていた。しかし、真ん中に挟まれた男だけは、大佐が今着ているものと同じ囚人服を纏っていた。
真ん中の男は、目隠しをされ、口を布で塞がれ、手足を拘束されていた。そして両腕を左右の二人にがっちりと掴まれていた。
大佐は、この目隠しをされた男の正体にも気づいた。なんと、それもまた「馴染みの顔」だったのだ。





