表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ゆっくり話して●大佐の香り with 前日譚  作者: 香詠 Koei
第四章 再会……できるかしら
73/90

第73話:雨の中の別れ

正午十二時。


墓地では、小雨が降りしきる中、いくつかの家族がそれぞれの大切な人を悼んでいた。


目の前の一基の墓石は、とても新しく、とてもきれいだった。しかし、訪れているのはたった一人だけだった。その訪問者は、片手で傘を差し、もう一方の手で丁寧に周りの草を抜いている。


「ジェニー、十年間一緒にいてくれてありがとう。そして、ベルを私の人生に連れてきてくれて、本当にありがとう」


その訪問者こそ、大佐だった!


「約束する。必ずベルを見つけ出す。絶対に見つける」


「私はとても優しい女性を見つけた。名前はソフィーという。幼稚園の先生で、子供たちが大好きなんだ。彼女ならきっとベルをしっかり育ててくれるし、ベルも彼女のことを好きになるだろう。約束するよ、ベルを見つけたら、彼女たちを連れて、一緒に君に会いに来ると」


雨が次第に強くなってきた。しかし大佐は手を離し、傘を地面に落としてしまった。彼は雨に身を任せ、片膝をつき、両手を墓石の上に置いた。そして、亡き妻の名前を刻んだ場所にキスをした。


「私は今、フィリップという新しい名前を名乗っている。昔の名前は十二時間前に死んだ。でも、もし君が望むなら、これからもジュリアンと呼んでくれていい」


大佐は立ち上がった。彼の顔は濡れていたが、それが雨のせいなのか、涙のせいなのかは分からなかった。彼は真鍮の指輪をはめ、傘を拾い上げ、車を走らせてその場を後にした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
My Page
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ