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ゆっくり話して●大佐の香り with 前日譚  作者: 香詠 Koei
第四章 再会……できるかしら
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第71話:ベル……見つけた

ソフィーが幼稚園で授業をしていると、一人の子供が「ベルの唄」を口ずさんでいるのを聞いた。不思議に思って話を聞くと、その子供は隣の家に十歳くらいの女の子が引っ越してきて、毎日その歌を歌っているので、とても素敵だから真似して歌っているのだと言う。


ソフィーはその園児から教えられた住所へ行き、あるアパートの一室を訪ねた。ドアをノックしてしばらく待つと、住人がドアを開けた。その住人の後ろには、十歳くらいの金髪の女の子が佇んでいる。ソフィーは懐中時計を取り出し、蓋を開け、中の写真に目を落とし、それから目の前の少女を見つめた。


(間違いない。この子は大佐の娘ーーベルちゃんだ。)


「あなた……ベルちゃんなの?」


女の子は「ベル」という言葉を聞いて、目を見開いた。しかし、何も言わなかった。


そんな彼女を見つめ、ソフィーは静かに「ベルの唄」を歌い始めた。


やがて、ベルも誘われるように小さな声で一緒に歌い出したが、曲の半ばに差し掛かったところで、堪えきれずに大粒の涙を流して泣き崩れてしまった。


「いったい、何があったんですか?」住人が尋ねた。


ソフィーは彼に懐中時計の中の写真を見せ、事の次第を詳しく説明した。


住人は一分ほど黙り込んだ後、言った。

「彼女のお母さんはあの日、私たちを救おうとして、ならず者に殺されてしまいました。私たちはこの子が可哀想で、引き取って育ててきました。まさか、お父さんに迷惑をかけることになるなんて……本当に申し訳ありません」


「いいえ、ベルちゃんのことをこんなに大切に育ててくださって、ありがとうございます。戦時中にあなた方がしたことは、本当に素晴らしいことです。どうか自分を責めないでください」

ソフィーは心からの感謝を伝えた。


「もしこの子を連れて行くというのなら、どうか、時々ここに遊びに来させてやってください。ここの扉はいつも彼女のために開いていますから」

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