第45話:愛しているから、近づいてこないの?
リオンがモランお爺ちゃんに進捗を報告した。まずソフィーかジャッキーのどちらか一人を後方の安全地帯へ護送し、その後で機会を見てもう一人を手配することができるという内容だった。リオンは自分としては先にジャッキーを連れて行きたい気持ちがあるものの、モランお爺ちゃん、大佐、そして二人の女性の決定を尊重すると言った。モランお爺ちゃんは皆と相談する時間が必要だと言い、リオンを帰した。
ジャッキーはリオンがお爺ちゃんの部屋から出てくるのを見ると、彼の手を掴み、自分の部屋に引きずり込もうとした。しかし、リオンは逆に彼女の手をそっと引き戻して、こう言った。
「……この期間は、なるべく二人きりで部屋にいるのは避けよう。情報によると、連合軍はあと2、3ヶ月以内に、この町へ攻め込んでくる見込みだ。その時、連合軍と帝国軍の間で激しい戦闘が起こる。もし……もし君のお腹の中に……サッカー選手がいたら、本当に危険な目に遭ってしまう。俺が君と親しくしないのは、愛していないからじゃない。むしろ、愛しすぎているからだ。君に苦労をかけたくないし、君を失いたくない。わかってくれるか?」
ジャッキーはリオンが自分の安全をそれほど真剣に考えてくれていることが嬉しく、わかったとうなずいた。それでも彼女は言った。
「……でも、ハグくらいなら、してもいい?」
リオンは直接彼女をギュッと抱きしめたが、反対のことを言った。
「もちろん、絶対に禁止だ」
ジャッキーは笑いながら、リオンの胸をそっと叩いて言った。
「じゃあ、キスは?」
リオンが答えた。
「……それは、ごく軽いキスなら、禁止じゃないかもな?」
ジャッキーはすぐにリオンの唇に軽く、一度だけ口づけると、こう尋ねた。
「こんなふうに?」
リオンがうなずく。
するとジャッキーはリオンの顔を両手で鷲掴みにすると、キツツキのように何度も何度も「軽く」キスを続けた。ジャッキー自身が笑いをこらえきれなくなるまでやめなかった。リオンも一緒に笑った。
突然ジャッキーの笑顔が消え、とても真剣な表情で言った。
「抜き打ち検査」
リオンはすぐに気をつけの姿勢をとり、慌てながらポケットからサッカーボールのキーホルダーを取り出し、ジャッキーに差し出した。ジャッキーはとても嬉しそうに、そのキーホルダーをリオンのポケットに戻した。その間、リオンはじっと彼女を見つめていた。最後にジャッキーはリオンの頬にさらに数回「啄いて」から、ようやく解放してやった。
部屋の中にいたソフィーは、ドア一枚を隔てたすぐ向こうに、リオンとジャッキーの気配を感じていた。そのバカップルなやり取りは見えなかったが、会話の一言一句ははっきりと聞こえていた。





