第43話:リオンも、恋の達人だった
一週間後のある夜、リオンが窓から身軽にモラン邸に忍び込むと、またしてもお爺ちゃんにばったり出くわした。お爺ちゃんは何も言わずに、ただ黙ってジャッキーの部屋を指さした。
リオンはジャッキーの部屋のドアまで行き、軽くノックした。中に入る許可を得てドアを開けると、ソフィーとジャッキーが部屋の中でお喋りの最中だった。ソフィーはジャッキーが気づかないうちにリオンに目配せをし、リオンはこっそりとOKのサインを送り返した。
「ねえジャッキー、リオンがプレゼントを持ってきたみたいだよ」
「え、本当? 何それ?」ジャッキーが尋ねた。
リオンはポケットから封筒を取り出し、ジャッキーに渡した。ジャッキーは興味津々でそれを受け取ると、すぐに封を切って中に入っていた手紙を読み始めた。すると、ジャッキーはまず両手を震わせ、そして泣き出した。
ソフィーが言った。
「ジャッキーがお母さんに会いたがっているのを知ってたから、リオンに頼んで伝手を使ってお母さんを探してもらい、無事を知らせてもらったのよ」
リオンが言った。
「俺が直接お母様を訪ねたんだ。お母様はとても元気にされていたよ。君が無事でいることを知って、とても安心された。そしてこの手紙を君に渡すようにと言われたんだ」
ジャッキーは泣きながら言った。
「これ、本当にママからの手紙だよ。手紙の中では『にゃんこ』って呼んでくれてる。私、子供の頃、猫みたいにやんちゃだったから、ママがこんなあだ名をつけてくれたの。私が無事でいることを知ってすごく嬉しいって。それに、家族みんな無事だって」
ジャッキーが手紙をもっと読み続けて皆と共有しようとしたその時、突然止まってしまった。そして手紙を折りたたんで封筒に戻した。
ソフィーもリオンも、なぜ彼女がそうしたのかとても気になったが、黙って見守ることにした。ジャッキーがこの喜びにいつまでも浸っていられるように。
「これが俺からのプレゼントだ。気に入ってくれたか?」
「大好き、大好きに決まってるでしょ!」
ジャッキーは、自分がリオンの恋愛戦闘力を見縊っていたことを認めざるを得なかった。彼は一撃で超必殺技を出してきたのだ。
「私もあなたに、もう一つプレゼントをあげる。」
そう言ってリオンの耳元で何かを囁いた。するとリオンは目を見開き、一気に顔を真っ赤にした。彼がジャッキーを見つめると、彼女はうなずいた。
リオンが去った後、ソフィーの好奇心は頂点に達し、我慢できずにジャッキーに手紙の後半には何が書いてあったのか尋ねた。
ジャッキーはあっさりと手紙をソフィーに渡し、自分で読ませた。ソフィーが手紙の内容を読み上げた。
「にゃんこ:
あなたが無事だと知ってとても嬉しいよ!
家のみんなも無事だから、心配しないでね。
それから、お母さんはこのかっこいい男の子がとっても気に入ったよ。
絶対に逃がしちゃだめだよ!」
最後まで読むと、ソフィーは我慢できずに叫び声をあげて、ジャッキーも絶叫した。そして、わけもわからぬまま、モーちゃんまでも走ってきて、一緒に叫んだ。
落ち着いた後、ソフィーは続けて尋ねた。
「それで、今度は、あなたは彼に何を贈るつもりなの?」
ジャッキーは右手を上げ、人差し指だけを立てて言った。
「まあ、当ててみてよ。はら、彼の大好きなサッカーに関するものよ。」
「もしかして……サッカーボール?」
ソフィーが言うと、ジャッキーはゆっくりと首を振った。
「じゃあ、サッカーシューズ?」
ソフィーがもう一度当てると、ジャッキーはまた首を振った。
「じゃあ、いったい何?」
ジャッキーは左手も上げ、同じく人差し指を立てて言った。
「サッカーチームが作れるくらい選手たちを産んじゃおうか」





