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ゆっくり話して/婚約者の死刑待ち  作者: 香詠 Koei
第二章 愛され女になった
35/71

第35話:彼は、全てを打ち明けてくれるの?

門前払いを食らってしまった大佐は、一瞬どうしていいかわからなくなった。そして、お爺ちゃんに相談しに行くことにした。


お爺ちゃんがドアを開けると、その目は大佐の手に持ったエビとパンの皿に注がれた。大佐は少し考えてから、こう切り出した。


「一つ情報を共有したいんですが。前に遊撃隊の誰かが私のことを調べてるって言いましたよね。相手が若い男で、名前はリオンだってわかったんですが、その名前を聞いたことありますか?」


お爺ちゃんは首を振った。


「この国じゃ、リオンってのはごく普通の名前だ。たいていの人は、三人か四人くらいのリオンを知ってるもんさ。他に何か新しい情報はあるのかね?」


大佐はすぐに言った。


「それが、なぜか最近フィーちゃんが――」


お爺ちゃんは大佐の言葉を遮った。


「その情報だけかい? 他にはないのかね?」


大佐は哀願するように言った。


「モランお爺ちゃん、状況はとても切迫してるんです。どうか助けてください」


お爺ちゃんは仕方なく言った。


「わかったよ。お前とフィーちゃんのこと、我々も気にかけていたんだ。レストランに連れて行って食事でもしながら、くつろいだ雰囲気の中で、彼女に全てを打ち明けることを勧める」


(全てを打ち明ける……? 予備の軍用外套の修理に何ヶ月もかかると嘘をついたことを話すってことか?)


「わかりました。モランお爺ちゃん、ありがとうございます。食事に誘って、彼女に全てを話しますよ」


大佐はその場を離れ、フィーちゃんの部屋を通りかかったとき、そっとドアをノックして言った。


「フィーちゃん、体調が悪くて食欲がないんだろう? 食べ物を床に置いておくから、後でお腹が空いたら食べてくれ」


そう言って、皿をフィーちゃんの部屋の前に置いた。大佐は皿の上のパンを見つめ、二秒ほど考えた。そして、パンを手に取り、ほんの少しだけかじってから、また皿の上に戻した。

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