第18話:子供にさえ、私の気持ちがバレてる
戦乱のせいで、モーちゃんは学校に通えなくなっていた。それでソフィーは、自主的に彼女の勉強を見てやることにしたのだが、モーちゃんがいつも変わった質問ばかりしてくるのだった。
「綺麗なお姉ちゃん、どうして学校は閉まっちゃったの? 私のお友達は、みんなどこに行っちゃったの?」
ソフィーは少しだけ考えてから、こう答えた。
「ここにね、悪いことをするおじさんたちが来てるの。その悪いおじさんたちがみんないなくなったら、モーちゃんも、他のお友達も、また学校に行けるようになるんだよ」
「じゃあ、悪いおじさんは、どうしてここに来たの?」
ソフィーはもう少しだけ考えてから、また答えた。
「それはね、学校でいつも、少しだけ言うことを聞かない子が、他のクラスにちょっかいを出しに行っちゃうみたいなものなの。でもね、時間になったら、その子もちゃんと自分のクラスに戻らなきゃいけないのよ」
モーちゃんは、わかったような、わからないような顔をしていたが、また質問した。
「じゃあ、大佐おじさんみたいないい人も、自分のクラスに戻らなきゃいけないの?」
その質問を聞いた瞬間、ソフィーは胃がギュッと締め付けられるような痛みに襲われ、何も答えられなかった。
綺麗なお姉ちゃんがすっかり黙り込んでしまったのを見て、モーちゃんは尋ねた。
「綺麗なお姉ちゃんは、大佐おじさん——」
「す、好きじゃないわよ! 大佐おじさんのことなんて」
ソフィーは慌ててそう言い返したが、言ってすぐに、やってしまったと後悔した。まだ年の小さな子供だから、どうかこの言葉の裏に隠された本当の意味に、気づきませんように——それだけを願うしかなかった。
だが、彼女はモーちゃんを甘く見すぎていた。
その願いも虚しく、モーちゃんは歓声をあげながら、大声で言い放ったのだ。
「わーい! やっぱり綺麗なお姉ちゃん、大佐おじさんのこと好きなんだ!」





