秘密の回復薬と反撃開始
ロンズデーライト兄弟に拐われた華琳を救うため冥界に乗り込んだ一刀達
次々と敵を撃破し、一刀はとうとう華琳と再会したのだが、既に華琳はロンズデーライト兄弟の長男ゴルドの手によって体を乗っ取られており一刀に襲いかかり、一刀に向けて矢を放った。
一方その頃、タワーの外では
「一刀ったら遅いわね。何かあったのかしら!? 」
マリアが一刀を心配していると
「やっぱ一刀の奴、久々に会ったもんだからこっそりイチャイチャを┅ 」
ぴくんっ!
アンソニーのデリカシーゼロの発言にマリアが反応したその時
「ていっ! 」
「ハッ! 」
「ぐふっ!? 」
ビビシッ!!
エレナ、風羅がアンソニーに一撃を食らわした。
「な┅何で!? 」
何で自分がこんな目に遭うのか不思議がるアンソニーに
「私も馬鹿だがお前は私以上の馬鹿、上には上がいたな 」
氷夢が言葉で止めを刺したのだった。
「(何だか妙な胸騒ぎがするし、大丈夫なの一刀!?) 」
一刀がどうなっているのか心配するマリア
一方、その一刀はというと
ゴルドが乗り移った華琳に矢を食らったのだが
「お兄さ~ん!? 」
風が叫んでいると
「何で死んでしまうのですか、風はまだお兄さんが華琳様に隠している秘密を使ってお兄さんをからかおうとしましたのに、そのお兄さんが死んでしまったら風は誰をからかえば┅ 」
一刀に対して涙を流す風であったが
「いや、生きてるから!勝手に殺すんじゃねぇよ!? 」
一刀は生きていた。
「ちっ!生きていましたか 」
「何でそこで舌打ちするんだよ!? 」
風に対して突っ込む一刀
しかし、何故一刀が生きているのかというと
バァンッ!!
ゴルド華琳が繰り出した矢が一刀に当たるすれすれで外れたからであった。
「(まさか華琳の奴、矢は苦手だとか?いや、そんなはずはないな) 」
そして気になった一刀がゴルド華琳を見てみると
「お┅おのれっ! 」
何と!?ゴルド華琳の片腕が弓を構えている手を邪魔して押さえていた。
あれはゴルドの中にいる華琳がゴルドの中で抵抗しているからであった。
『私の体を好きにさせないわよ!』
「華琳┅ 」
今の一刀の目には華琳の幻影がゴルド華琳の体を押さえているように見えていた。
「ちっ!完全に意識を封じたと思っていたが俺が甘かったようだな 」
バチバチィ!!
「もう一度封印されるがよい! 」
ゴルド華琳は更に魔力を込めると
『きゃあぁーーっ!?』
シュウゥッ┅
「あぁっ!? 」
一刀の目に華琳の幻影が消滅していくのが見えた。
「一瞬驚いたがもう二度と自分からは目覚めぬ!さっさと死ね! 」
「くそっ!どうすればいいんだ!? 」
反撃しようにも相手が華琳では手出しができない。
しかし、このままでは自分が倒されるのをただ待つだけ
どうすればいいのか一刀が打開策を考えていたその時
「俺に任されよ 」
「えっ? 」
一刀の耳に誰かの声が聞こえると
シュバッ!!
「なにっ!? 」
ゴルド華琳の後ろに誰かが現れた。
それは┅
「あいつは!? 」
「仮面シャドーさんですねぇ 」
下の階にてシルバを倒し、休んでいるはずの仮面シャドーがそこにいた!
ここで時間は少し前まで遡る
少し前、下の階で休んでいた仮面シャドーであったが
「むっ! 」
上の階にいる一刀達の方から妙な気配がしたため目が覚めた
「(この気配、何やら一刀殿達に異変が起きているようだ) 」
すぐにでも駆け着きたい仮面シャドーであったが先のシルバとの戦いでのダメージが大きすぎてすぐには動けそうになかった。
すると
「そういえばこの世界に来る前に蓮華から栄養剤をもらっていたな 」
※第8話参照
それを思い出した仮面シャドーは割れぬよう懐に入れていた蓮華が作った栄養剤入りの竹筒を取り出した。
「俺専用と言っていたが特殊な調合でもしたのかな? 」
そう思いながら仮面シャドーが竹筒の中身を飲んでみた瞬間┅
ドクンッ!
「な┅何だこれは!?体の痛みが無くなっていく!これは物凄い回復薬だ! 」
と、仮面シャドーは回復薬だと思っていたが
実は中身は蓮華の母乳だったりする。
「これなら少しは動けそうだ!待っていろよ一刀殿! 」
シュッ!
その後、仮面シャドーは一刀を救うため直ぐ様、上の階に向かっていったのだった。
そして現在
「(事情は大体把握した。俺ができるのは曹操殿とこいつを一時的に分離させるのみ、だが一時的ならばあとは一刀殿が何とかしてくれるだろう) 」
シュシュッ!!
ゴルド華琳の背後に回った仮面シャドーは印を結ぶと
「忍法・邪気祓い! 」
バチバチィーッ!!
右腕に気を集め、ゴルド華琳に押し当てた瞬間
「があぁーーっ!? 」
ゴルド華琳が苦しみだし
ズズゥッ┅
「あっ! 」
一刀の目にゴルド華琳の体からゴルドの幻影らしきものが出てくるのが見えた。
仮面シャドーが繰り出した術は相手に憑依した別の何かを追い出すことができるのだ。
「(俺の残りの気では全て追い出すことはできぬ、だがそれでいいのだ!) 」
少しでも華琳とゴルドが分離したのならば┅
ガシィッ!!
「華琳の体から出ていきやがれーっ!! 」
一刀がゴルドを出してくれる。
そう仮面シャドーは確信していた。
何故なら性格等は違っていても同じ一刀なのだから
そして
ズボォッ!!
仮面シャドーの狙い通りに一刀はゴルド華琳の中からゴルドを引きずり出した。
すると
シュウゥッ┅
ゴルド華琳の体が元の華琳の姿へと戻っていき
「華琳! 」
一刀は華琳を抱き締めた。
すぅすぅ┅
「よかった。息があるぜ 」
幸いにも華琳は寝ているだけであった。
華琳が助かったことに安心する一刀
一方
スゥッ!
「はぁはぁ┅!? 」
華琳の体から追い出されたゴルドは仕方なく前の肉体に戻るしかなかった。
「おのれ!よくもやりやがったな!まずはお前から消してやる! 」
バチバチィーッ!!
ゴルドは魔力を集めると
「はぁはぁ┅!? 」
「死ねぇーーっ!! 」
ドォンッ!!
華琳からゴルドを分離させるために気を使い、体力を消耗した仮面シャドー目掛けて魔力弾を放った。
疲れている今の仮面シャドーでは避けることができず、このままではただ攻撃を食らうだけであったその時
「ふんぬぅっ!! 」
バキンッ!!
突然仮面シャドーの前に卑弥呼が現れ魔力弾を素手で弾いた。
「何だあのトロルは!? 」
卑弥呼の出現に驚く一刀
ちなみにトロルとは醜い姿をしたモンスターである。
「ダーリンよ、迎えに来たのである。共にダーリンの世界に帰ろうぞ 」
ガシッ!
卑弥呼は仮面シャドーを肩に担ぐと何やら異次元の扉らしきものを出現させ通ろうとした。
そして帰る間際
「少し待ってくれヤマト殿、一刀殿、これを 」
スッ!
仮面シャドーは一刀に一枚の丸めた絵を渡した。
「これってシルバか?お前って絵がうまいな 」
それはシルバが封じられた絵であった。
「あとは任せた。この世界のことはお主に任せる 」
スゥッ!
そう言い残し、仮面シャドーはこの世界から去っていった。
「仮面シャドー、結局あいつが誰なのかはわからずじまいだったけど、んなことわかってるんだよ! 」
華琳を取り戻した今、一刀がゴルドと戦う邪魔はなかった。
「ふざけるなよ!あの女がいなくとも俺の強さは変わらぬ! 」
ここに最終決戦が始まろうとしていた。




