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「ちっ、せっかくとらえた研究材料が。」
あの人たちは隣国ラストラム帝国の人間たちだったらしい。神気を操る、私たちと似たような存在らしかった。研究所は思ったよりぼこぼこにされて復旧作業が急がれた。
「こい、メンテナンスだ。」
頭にわけのわからん器具をつけられる。いつものことだ。
視界がどんどん拡張する。森を抜ければ町が見える。さらに大きな町。人々の声が聞こえてきそう。あの人たちはいるかしら。
その時だ、視界がぐらついた。白黒が交互に移りこむ。気持ち悪い。
「三半規管に異常。脳波に乱れ」
「視界を遮断して、落ち着かせろ。」
気持ち悪い。ずるずると壁に沿って歩いた。今度はいつ戦争があるのだろう。私を殺してくれそうな人を見つけられて、あの気持ちの悪いメンテナンスを受けなくて済むなら私は戦争が大好きだ。
そういえば、あの人も戦うのが好きって言ってたな。
捕まっていた、でも今は仲間のもとにいるであろう人。
ーーーーーここから出たくないかーーーーーーー
「そもそも出られねえっての。」
ある部屋にたどり着いた。
そこには一人の少女がいた。ドーム状のガラスに液体が入れられ、彼女は浮いていた。その体にはたくさんのチューブと、神呪符が張り付けられていた。髪がゆらゆらと揺れている。
彼女と話したのは1年前が最後。彼女はずっとこの中にいた。
「私、もっと世界を見て回りたいの。」
そう言ったが結局、彼女はこの中から出られなくなった。適合者としての体がガタガタになってこの中にいる。それでもスイッチ一つで彼女は殺戮兵器に姿を変える。
「ねえ、あんたならこんな状態になって生かされてうれしいのかな?」
その時だった。
ヴーヴー。警報が鳴る。今度は出撃の合図だった。
この部屋にもたくさんの研究者たちが入ってきた。彼女の前におかれたたくさんのコンピューターのようなものが音を立てて起動されていく。
「お前も準備しろ。」
また、あの血の匂いが広がるのだろう。




