法の押し付け合い
『いいねぇ、”牢獄”かっこいいじゃん、その名前ありがたく使わせてもらうぜ馬鹿ども。お礼に俺様の家畜として一生飼ってやるよ』
勝ち誇った顔がありありと思い浮かぶアナウンスが響いた。スズキという男のいうことが正しければ、今僕たちは奴の空間にいるということ。こんな勝利宣言アナウンスもするか。
そう思っていると、隣のスズキがけだるげにそのアナウンスに言葉を投げかけた。
「お前は法力を使う戦い方をどこまで知ってるんだ?」
『知っているも何もこの状況を見れば分かるだろ!先手必勝!俺様の”牢獄”にぶち込まれた時点でお前の負け、家畜人生は決まったも当然なんだよ。いい加減理解しろよ家畜!!いや、理解できないから家畜になったのか、ぶっひゃひゃひゃ』
「確かにお前の”牢獄”は入った時点で絶望的な原本だ。だが俺にだって法力が使える。特別なチート能力じゃあないんだよ」
『てめえの原本なんて家建てる外れ能力じゃあねえか。この状況で家一軒建ててどうにかなるのか家畜』
そうかあの家はこのスズキが建てていたのか。確かにモトムラのいうとおりこんなところで家を建ててもこの牢屋空間と家に挟まれて潰れるだけだと思う。そう思っていると、今度はこちらに向かってスズキは話しかけてきた。
「いいかトーヤ。お前はまだ原本が発現してないが近いうちに発現するだろう。そのときのために大事なことを教えておく。法力の戦いかたの大前提は法の押し付け合いだ。俺たちは今奴の法を押しつけられた。この状況をひっくり返す方法はただ一つ、俺たちも法を押しつければいい」
そういうとスズキは地面に右手を当てる。
「家生成・出口」
そう唱えると地面からあの一軒家の玄関扉が地面に出現した。
「さあこっから”建設”のスズキさんのターンだ」




