"牢獄"のモトムラ
女で楽しみつつ、この世界のこと、この力のことを聞いた。この力は法力というらしい。他の連中が同じ能力を持ってないことが分かった。そうだ、やはり俺様は選ばれた人間だ。この原本は俺様だけの特別なものなんだ。
とりあえず女から聞き出した情報通りに近くの村へと歩いていく。空間に人を攫うとそいつがエネルギー源になると分かった。おかげで喉の渇きが少ない。
しばらく歩くと謎の二階建て一軒家があった。直感的に分かった。これは法力によるものだ。俺様以外の原本。
ここで俺様の処世術、何も知らない馬鹿のフリをする。馬鹿は同じ馬鹿とわかると警戒を緩める。そうして騙されて油断した馬鹿を後になってシバくのは気持ちがいい。
ゆっくりと家に入ると男が呑気に寝ていた。無警戒過ぎる。本物の馬鹿だ。俺様は早速頭空っぽのフリをしながら話しかけた。
「へぇ、お前こっちに来たばかりっぽいな。俺も異世界転移してきたんだ。同郷同士仲良くしようぜ」
仲良くするか馬鹿が、と口には出さずこちらこそと心にもない言葉を適当に喋ると向こうから手を差し伸べてきた。チャンス到来、気取られないように自然に握手をし、俺様の空間に引きずり込んだ。
楽勝過ぎる、馬鹿は本当に扱いやすい。奴は女とは別の空間に隔離したようだ。男色の趣味はないからなありがたい。しかし女と違って隔離はできても手出しできないと分かった。まぁずっとそのまま俺様のエネルギー源になってくれや。
奴が遺した家を漁ると全ての家具家電が問題なく使えることが分かった。奴も便利な原本持ちだったらしい。俺様がありがたく使ってやろう。
そうしてその家で一晩を過ごしダラダラと今後の計画をたてていると庭から次の獲物がきた。こういう陰キャ野郎はノリよくしゃべればこちらが主導権を握れる。案の定握手ターイム、1名様ご案内。
俺様の空間の中で餌共が話をしているのがわかった。"牢獄"か、なかなかいいネーミングじゃあないか。俺様は"牢獄のモトムラ"。この原本で全てを管理し、支配する男。
気分が良くなった俺様は餌共に話しかけた。




