チャラ男のモトムラくん
チャラ男だ。チャラ男がお茶飲んで寛いでいる。
このチャラ男のグループ分けはどういう基準で分類したかというと、まずは染めたとしか考えられないセットされているツンツンのパツキンな髪型、女には困っていないですよとしたヤンチャ顔、TPOがちゃんとした所では怒られるであろう学生服の着崩しかた。僕の視覚情報が脳に入った瞬間目の前にいる男をチャラ男と分析した。ちなみに僕は陰キャグループに入ると思う。
「ん?」
チャラ男が視線に気づいた。今更隠れても仕方ない。手を上げて敵意がないとアピールしながら声をかけることにする。
「勝手に入って申し訳ありません、人がいるのを確認するために、無断で侵入してしまいました。どうか僕の話を聞いていただけないでしょうか?」
そう言うとチャラ男の反応は、
「良かった!俺以外にも人がいたじゃん!!」
友好的だった。
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このチャラ男、もといモトムラくんも僕と同じく訳のわからないうちに荒野にいて、あたりを探索している時にこの二階建て一軒家をみつけたらしい。喉の渇きに耐えられなかった彼は家に侵入したが、無人だったため家を物色。家の中の水、食料を見つけここを拠点とすることと決めたらしい。2、3日人が来ないかと待っていた所に僕が現れたということらしい。
僕に冷えた麦茶と菓子パンを渡しつつ上機嫌で説明する彼。よほどうれしいのか超ニコニコである。
「いやマジでトーヤにあえてマジで良かった。こんな訳わかんない所でひとりぼっちかと思ったわ~。トーヤに会えてマジ感謝、イェ~イ!」
「いっいぇーい」
このノリきつい。
しかしこの家は不思議だ。冷蔵庫も冷えていて(中の食べ物アリ)、風呂も入れて、コンロも使える。電気ガス水道全部使えるらしい。さすがに電波はないのかテレビは砂嵐状態だった。いったい何の目的で、どういった技術でこの荒野の真ん中に家を建てたのだろう。何だこのすごいけどファンタジー感のないファンタジー。
モトムラ君の陽キャノリに雰囲気で合わせながら麦茶と菓子パンをごちそうになった僕に、モトムラ君はさっきまでのテンションではなく、落ち着いた声でぽつりと言葉を発した。
「ほんとさ、俺こんなわけわかんねぇ状況でさ。このままずっとひとりなのかと思ってよ。病みかけててさ。トーヤに会えてマジうれしかったんだよな」
若干涙ぐみながら彼は、握手を求める手を差し伸べてきた。
「マジありがとうトーヤ。こんなわけわかんねぇ状況だけどさ、これから力合わせていこうぜ!!」
「うん、、、僕の方こそよろしくお願いするよ、モトムラ君」
そうだよな、こんな状況を一人で解決するより仲間がいた方が心強い。そうして僕は彼と熱い握手を交わした。そして僕は、、、
暗い鉄格子の中にいた。




