6 推し
「えー!?リリちゃん、本物?でも、ゲームとだいぶ違うね!でも、やっぱかわいい!ゲームの時からリリちゃんは磨けば光ると思ってたんだよ!やっぱり、私の予想はあってた!いや~かわいい~え、てか赤いリボンめっちゃ似合ってるね!?赤いリボンってリリちゃんのために存在してるのかな!そうだよね!きっとそう!」
かわいらしい声がなんか言ってる。でも、私の脳がそれを理解できなかった。
「あ、あの…?」
「ああ、ごめんなさい。私はエマ・スターライトです、よろしくね。あ、でも、知ってそうだよね。エマたんって言ってたし。転生者?」
やっと、頭の回転が戻ってきた。
「あ、リリアベル・ミシュフェニスです。そうね、転生者よ。」
「やっぱりそうだよね、ゲームのリリちゃんと全然違うもん!私の推し、リリアベル・ミシュフェニスだよ」
ええ!?推しに推されてる!?
ていうか、なんか自分が推されてるって変な気分。
「え、私の推しはエマ・スターライトよ」
「え、じゃあ、お互いを推しあってるってこと!?すごいね!ねえ、友達になろう?」
たしかに、そうだ。転生者同士、お互いを推しあってるってことあるんだ
「ええ、いいわよ。ありがとう」
これで頑張って友達を作る必要はなさそうだ。
「エマって呼んでもいい?」
エマはキラキラした目でこちらを見てフリーズしている。
「大丈夫?」
「ああ、ごめんね!リリちゃんの声が良すぎて!」
「そう…?」
別に普通の声だと思うんだけどな…
「うん、世界一!あ、ぜひぜひエマってよんでください。私もリリって呼んでもいい?」
「もちろん」
その時、ベルが鳴った。入学式の始まりの合図だ。
ゲームだとここでイントロが流れるのだが、さすがに現実では起こらない。
ちらっと横を見るとエマがきらっきらな目で前を向いてた。
楽しそうでなにより。
そして、校長先生の話から始まった。
校長先生のお話、担任の先生の発表、新入生代表スピーチと続いてった。新入生代表はジェシカ・ショーネローゼ公爵令嬢が務めた。
王太子ルートでは悪役令嬢の子だ。
できればだれも悪役になってほしくないんだけどね。
エマは攻略はどうするんだろう。
ジェシカ・ショーネローゼがスピーチが終わって下手へ退場すると、入れ替わるようにリアム様が上手の袖から出てきた。
「体調不良の生徒会長に代わって、私、副会長が話させていただきます。まずは、入学おめでとう。この花が美しい季節に君たちと出会えたことをとてもうれしく思います。これからの学園生活、楽しいことも大変なこともあると思います。頑張れば報われるとは言いません。だけど、どんな時でも一生懸命頑張れば、後悔はしないと信じています。そして、つらい時、私たち先輩や先生方は必ず君の味方です。それは覚えておいてください。では、素敵な学園生活を願って、君たちに祝福があらんことを。在校生代表、ウィリアム・クォーツェルフェン」
澄んだ瞳で新入生を見据えていて、真剣な表情で噛むことなく話し終えた。
か、かっこいい…!
はじめてリアム様がかっこいいと思った。
リアム様がはける前、目が合った。彼は私をみるとふっと目を細めた。
かっこいいって言葉撤回してもいいかしら。
あれは絶対はじっこに座ってるのを面白がってみてるんだわ!
そして、あっという間に式は終わった。




