↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
2/22

2 リアム様

あの波乱な日から数日たった。


今日はまた王子と会う予定だ。

昨日、明日伺うと手紙が届いたのだ。


うう…憂鬱…


「はあ、」


「どうしたんですか、お嬢様?」


私の髪の毛をセットしているマリーが不思議そうに聞いてきた。


「ううん、なんでもないわ」


私は平和に生きたいんだけどな…王子の婚約者は平和とは程遠そう…

今日は室内で会うことになった。

応接間で待っていると彼はやってきた。


「やあ、リリー」


これを聞いて使用人たちは一瞬フリーズした。マリーに至ってはにやにやしている。

そりゃあ、会って二回目で愛称で呼ばれるなんてなかなかないよね。

実際は昨日から呼ばれてるけど。


遊ばれてるだけだから!

といえるはずもなく。室内は二人きりになった。もちろん、ドアは開いている。


「リリー?」


「あ、失礼しました。ごきげんよう、殿下」


彼はぱっと何か思いつた顔をした。嫌な予感がする。


「ねえ、リリー。リアムって呼んでみて」


えええ……なんで?


「そ、そんな、恐れ多い」


「リリー?…そうだねぇ…侯爵殿に、ほんとは気を失ったときに捻挫してたとでも言ってあげようか?」


彼はそんなことを笑顔で言ってのけた。面白がってる顔だ…

たとえ私がどんなに元気でも、父様にそんなこと言われたら、私、一週間はベッドから出れなくなってしまう…

父様は私を愛してくれているけれど時々過保護すぎるのだ。


「リ、リ…リアム様…」


「よくできました」


私は恥ずかしくなってそっぽを向いた。

リアム様はテーブルをはさんで向かい側のソファに座った。

私も座ることにした。


「さて、僕はリリーに聞きたいことがたくさんあるのだけれど、まあ、リリーは話したくなさそうだし、おいおい聞くことにするよ。」


”おいおい”、か…怖いなぁ


「はい…」


「で、リリーは僕に聞きたいこととかある?」


「えっと…」


聞きたいこと…?あ、ヒロインちゃんが好きかどうかとか聞いてみようかな

いや、まだリアム様は8歳でヒロインちゃんと会ってないからそれはないか。

まあ、好きな人がいるかくらい聞いてもいいよね


「現在、好意を寄せてる方はいらっしゃいますか?」


言葉が私の口を離れた瞬間、部屋の温度が一気に下がった気がする。


「いないけど。それがどうかしたの?」


淡々とした感情を感じさせない声だった。


「も、もしそのような方がいらっしゃったら教えてくださいね!すぐに婚約を解消しますから。あ、でも、身分の問題とかがあるかもしれませんよね…婚約解消はそれを解決してからですよね」


部屋の空気がさらに下がった。


「へえ…?リリーは僕との婚約が嫌なんだ?」


お、怒ってる…?


「い、いえ。嫌とかではなくてですね、その、殿下には幸せでいてほしくて」


私があたふたと答えると、リアム様は

「そう。」とだけ言った。

部屋が沈黙に包まれた。幸い、部屋の温度は元に戻っている。


気まずい……


「あの、リアム様」


「ん?どうしたの、リリー?」


「なんか、その、申し訳ありません」


「もう気にしてないから大丈夫だよ」


私はほっと息をつく。


「ありがとうございます」


リアム様はふっと顔を上げた。


「そろそろ時間だ。またくるよ」


「あ、はい」


私は見送るために立ち上がった。

リアム様はそんな私をしっかり見ていった。


「あ、リリー。一つだけ覚えておいて」


「なんですか?」


リアム様の美しい目がふっと細められた。


「僕は婚約解消するつもりはないよ。君ほど興味のそそられる人はいないからね」


「えっ」


これは予想外だった。

私が固まってる間に彼は颯爽と帰ってしまった。


少しでも面白いと思ったら評価、ブックマークやリアクションをしてくださるとすごく励みになります!(^▽^)/

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。