17 文化祭準備始
学園で過ごしてから二か月たった。
学校生活にもリアム様のダルがらみにも慣れてきた。
私はリアム様の婚約者として一時期有名だったが、今はみんな慣れてそんな話はめったに聞かない。
幸い、ファンから嫌がらせとかされてないから安心だ。
そして、今日のホームルームでは、文化祭の話があがった。
ホルツシュタブ学園では毎年盛大な文化祭が9月に行われるらしい。文化祭のクオリティをあげるためにも、6月から準備をはじめ、7月・8月の夏休みはやりたい生徒は準備をどうぞって感じで、9月に最終チェックをし文化祭という流れだ。
前世で文化祭をやった覚えがないから楽しみだ。
ジェフリー先生が黒板の前に立って話している。
「みなさん、文化祭でやりたいことはありますか?」
数人の生徒が手を上げた。
ジェフリー先生はチョークを手に持って、すぐに黒板に書ける体勢になった。
「モニカさん、どうぞ」
「はい、私は喫茶店がいいと思います」
喫茶店か…いいかもしれない。カフェでのバイト経験を生かせそうだ。
モニカ・ブロート様は伯爵令嬢だ。のほほんとした彼女らしい案だ。
「ありがとうございます。次はアーサーくん」
「はい。僕は劇がいいと思います。」
劇か…楽しそうね。
アーサー・ムート様は子爵令息だ。彼の領では芸術が盛んだと聞く。そこからアイディアが浮かんだのかしら。
「ありがとうございます。あとは…レイさん?」
「はい。わたくしは仮装カフェがいいと思いますわ。喫茶店も人物を演じるのも両方できますわ」
おお、いいねぇ。さすがレイ様。丸く収めてくれた。
レイ・ムントリヒト様は侯爵令嬢だ。頭がよくていつも考えをまとめてくれる。
仮装か…たまにはメイドになるのも楽しそうよね。
ラバーダッキーでもいいわね。
なんやかんやで仮装カフェに決定した。だれも異論はなかった。
「では、みなさん、解散です。しっかり勉強に励んでくださいね。」
ジェフリー先生がそう言った瞬間、みんなは早足で教室を出ていく。
貴族の学園なんだから優雅じゃないの?って思うけどね。
隣で楽しそうに話を聞いていたエマに声をかけた。
「エマは何の仮装をするの?」
エマは首を傾げた。
「う~ん何がいいかなぁ?あ、リリは?」
「メイド服かな」
「えっ、絶対似合う!楽しみだな~」
エマと話しながらいつもの中庭の白いベンチへ向かう。
しばらくすると、そこへリアム様もやってきた。
「やあ、リリー、エマ嬢」
「こんにちは、リアム様。どうしたの?」
「リリーたちは何の出し物をするの?」
文化祭の話をしに来たのね。
「仮装カフェよ。」
「仮装カフェ?」
「ええ、みんな仮装して接客するの。私はメイド服を着ようと思って。」
私がそう言った瞬間、リアム様が固まった。
そして、ピシ…と空気が凍った。
これは……よくないね。
私はどこでミスった…?




