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大型案件の決済種別は『一家心中』――死んでも止まらない派遣社員は、322歳の社長を許さない  作者: 葛石
第十章 怪異集結編

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河童


「お怪我はありませんか――ッ?!」


音を聞きつけた別のスタッフが現れた。


崩れ落ちた女性スタッフに駆け寄る。


(怪異の情報が増えた。でも、一部しか読めない。なぜだ? 何故、一部だけが視える?)


「お客様、早くこちらへ」


白鳥が大人しく従った。


(全てを知る資格が、私には無い……?)


「当館は……、午後の営業を終了しております」


廊下。


真っ直ぐ進む。


(全てを見破ったら……、いや。「視抜く」ことに意味があるとしたら?)


二大社長を葬ったあの日。


氷室は、座敷童と貧乏神の超常現象を完璧に視抜いた。


(もし、怪異その物の性質を視抜いたら?)


不思議な感覚。


その眼で視抜いたら、怪異さえ、この瞳の中に閉じ込めてしまえる気がした。


駐車場。


社用車に乗り込む。


「水族館に行きたい」


「分かりました」


すぐさま発進する。


「……仮説だ。怪異の説明が、一部だけ視えるようになった。全て視えたら、何か完成するような、そんな気がした。……試してみる価値はある」


「では、出没する場所と、逃がさない手段があれば?」


「ああ、試してみるべきだ」


車を飛ばす。


終わりにする。




水族館。


深海魚エリア。


氷室は、青白い男――河童の元へ向かう。


「河童」


『何の用だ』


氷室は淡々と告げる。


「オウム返しを封じたい。出没する場所と、拘束する方法を教えて欲しい」


白鳥は腕を組む。


『出没する場所は、分からない。様子を見ていたが、あの外道の行動は読めない』


「……そうか」


『拘束は出来る。逃げ場も無くせる。だが、最後はお前の仕事だ』


「教えてくれ」


『ここから先は、支払いだ』


「ああ」


『一番信頼している者との記憶を貰う』


沈黙。


河童はゆっくりと白鳥を指さした。

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