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デルタ・ワン(クロスロード編)  作者: NabYu
1章:冒険
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策略

地上で砂嵐が猛威を振るっている中、地中の洞窟では、ロックを流して陽気に運転しているベックの姿があった。「そろそろ飯にするか?」とタツミに問いかけるベック。「そうしましょう」と返すアル。ベックはスピードを落とし、車を停車させた。すると次の瞬間、頭上から何かが突っ込んできた。黒い影が地面に着地すると、土煙が車の前に立ち込める。「下がってろ!」とアルに対して言い放つベック。土煙が落ち着くと、そこには、ネモの姿があった。「テメェ、なんのつもりだ?」と威嚇するベック。するとネモは無言で短刀を投げ渡す。ネモは短刀を受け取りベックの目を見つめる。「カートのクソ野郎に会うんだろ?」とニヤつきながら話すネモ。「悪いが少し付き合ってもらうぞ」と言いネモはベックに襲いかかる。すかさずベックは刀を構え攻撃を防いだ。「テメェ、、本当にどういうつもりだ?」と落ち着いた様子でネモを見つめるベック。すると今度は、天井が大きく崩れ落ち、巨大な鎧が乱入してきた。「残念だったね、ネモ。」と鎧から声が聞こえてきた。「このロボットは異世界由来の代物でね、砂嵐のジャミングには耐性があるんだよ。」と穏やかな青年の声が洞窟内に響き渡る。「邪魔をするなら、お前から潰す!」そう言って、腕のアーマーに電池を装着するネモ。「いつになく、強気だね。ヤケクソかい?君らしくもない」とめんどくさそうに話す青年。ネモの

は背中に羽を生やし、鎧に向かって飛んでいく。「君には失望したよ」と青年が言い、鎧が反撃を始める。両者の激しい戦闘に呆気に取られるベックだったが、すぐ我に帰り「さっさとこの場を離れるぞ」とアルに言い、エンジンをかけて洞窟を進んでいく。青年は逃げるベックを見て「周りが見えなくなるほど君は本気らしいな」とネモに語りかける。「分かっていると思うが、私は本気ではないよ。」と続けて話す青年。するとネモは、荒い呼吸で「いつまで、強気でいられることか、、アンタの焦った顔を見てみたいぜ。」と笑う。鎧がネモに照準を合わせ、腕にエネルギーをため始める。「君も強情だな、、君の負けなんだよ。」そう言い放ち青年はネモを撃ち抜いた。

鎧との接続を切り、薄暗い書斎で一息つく青年。「命までは取らないよ。君にはまだ働いてもらいたいからね。」そう言って窓から外を見つめた。外では砂嵐が収まり消失していた。



数日経ち、汽車で旅を続けているアラン一行。カンカン照りの中、ハンナとセレーナは洗濯物を干していた。「やっと洗濯できましたね」と明るく話すハンナ。

「そういえば、空を飛んでいた人、大丈夫かな?」とセレーナが呟く。「空?なんの話だ?」とアランが問いかける。「嵐の時にね、、、」と話し始めるセレーナ。それを遮るように、何かを察知するアラン。「ショクブツが近い」そう呟くとアランは急いで窓から身を乗り出し、屋根の上に飛び乗る。タケルも慌てて後を追う。


数百メートル先から、狼型のショクブツが群れを成して走ってくる。さらに空には、翼のような葉を広げた飛行型のショクブツが旋回していた。「タケル、右前方! 狼が来る!」

アランが叫ぶ。

タケルは刀を構え、アランの指示に合わせて踏み込む。

狼型が跳びかかる瞬間、タケルは身を低くして斬り上げた。

乾いた音とともに、ショクブツの体が裂け、地面に崩れ落ちる。

「次、上だ!」

アランは銃を構え、空を指差す。

タケルが見上げると、飛行型が急降下してきていた。

アランの銃口が光り、電池式の光弾が飛行型の翼を撃ち抜く。

バランスを崩したショクブツが落下し、タケルが刀で止めを刺した。

「左後ろ、蛇だ!」

アランの声にタケルが振り返る。

地面が盛り上がり、次の瞬間──

地中からショクブツが勢いよく地面を突き破って現れた。

蔦が絡み合い、巨大な蛇のようにうねりながらタケルへ迫る。

「っ……!」。

タケルは後退しながら刀を振るうが、間に合わない。

蛇型は地を滑るように加速し、タケルの足元へ飛びかかる。

「タケル、踏み込め! そのまま前!」

アランの叫びが飛ぶ。

タケルは反射的に前へ跳んだ。

その瞬間、アランが銃を構え、

電池を最大出力に切り替えて引き金を引く。


銃口から放たれた光弾は、

蛇型の背後、遠くの地面に着弾し、

一瞬、眩しい光を放った。

音か光か、どちらかに反応した蛇型は、一瞬だけ動きを止めた。

その一瞬で、タケルは地面を蹴り、蛇型の懐へ飛び込む。

刀を握る手に力を込め、そのまま勢いよく突き刺した。

蔦の束が裂け、蛇型ショクブツは痙攣しながら崩れ落ちた。

ショクブツの群れを一掃したあと、アランは大きく息を吐き、銃の安全装置を戻した。

タケルも肩で息をしながら刀を下ろし周いを見渡す。

「そういや、前から気になってたんだが──その刀、ベックのと同じだよな?」とアランはタケルに声をかける。

タケルは刀を軽く持ち上げ、刃の反射を眺めながら答えた。

「これか? あぁ……以前ベックが使ってたやつだってよ。

 電池が壊れてて出力は使えねぇんだけど、刃はまだ生きてるらしい。

 “もう使えねぇから持ってろ”って、俺にくれたんだ」。

アランは短く息をつき、どこか納得したように頷いた。

そして、遠くの地平線へ視線を向ける。

「……そうか。なら、しばらくは頼りにさせてもらうぞ」そう言って微笑むアラン。

タケルは照れくさそうに笑い、刀を鞘に収めた。


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