好奇
ベックとユースが旅立ってから数日後のよく晴れた日。湖から少し離れた場所でアルとマコが組み手を行っていた。
「そんなんじゃ、また、兄貴に迷惑がられるぞ」そう言ってマコの攻撃をかわすアル。
そんな2人を見つめ、シモンズは物思いにふけていた。
「いつからいたんだ?悪いな気づかなくて」と汗を拭きながら話すタケル。
シモンズは「いえ、今さっき来たところですので、」と応える。
「急いで準備するから、ちょっとだけ待ってくれ」と着替えを始めるタケル。「ではボートで待っています。」と言うシモンズ。
タケルとシモンズはボートに向かって歩き始める。タケルは途中で、セレーナに「夕飯は豪華に頼むぜ、アランが腰を抜かすほどのな!」と声をかける。「うん。」静かに返事をするセレーナ。そんなセレーナを見つめ、ハンナが微笑む。
ボートで湖を渡る、タケルとベック。「全く、アランのやつには、ガツンと言っとかないと、、わざわざ一ヶ月後に迎えに来いなんて言いやがって、、」と悪態をつくタケル。「文句を言う割には、律儀に一ヶ月待って迎えに行くんですね。」とシモンズが話しかける。「しかし、
アランさんは、つくづく運がいい人だ」と呟くシモンズ。「へ?」と不思議そうな顔をするタケル。「カートの様子がおかしい事か?」と尋ねるタケル。カートは数日前、急に慌て出した後、汽車に籠り、難しい顔で地図に何かを書き込んでいた。「雲の動きが変なんですよ、、」とタケルに対して呟くシモンズ。
タケルとシモンズが廃村に向かっている間、カートが眠そうな顔をして、汽車から出てきた。「おはよう。」と淡々と話しかけるセレーナ。「いや、寝てない」とぶっきらぼうに返事をするカート。カートの顔にはクマができており、げっそりとした表情をしていた。「どうしたんですか、ちゃんと説明してください」と尋ねるハンナ。カートはヤカンに水を入れながら険しい顔をする。コップを片手に、眩しそうに空を見上げ「とんでもなくでかいのが来る、、」とだけ呟いた。「何が来るの?」とセレーナが尋ねると、カートは嵐と答えた。「嵐って、そんな空模様ではないですよ。遠くを見渡しても怪しい雲はありませんし、、」とハンナは問いかけた。すると、セレーナが「あれ何?」と言って空を指さす。指差した先には、太陽を背にら灰色や銀色を基調とした、金属の塊のようなものが、こちらに向かって飛んできていた。左右には細長く広がる羽のような板があり、前方は鋭く尖っている。
飛行機には1人の青年が乗っていた。「こないな所で、ライバルを見つけられるとはな。」と青年はギアを上げながら叫んだ。「ほな、挨拶と行きますか!」青年は地上の汽車に向けて照準を合わせ、スピードを上げていく。




