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トレジャーハント~未開の地は金の香り~  作者: よちゃ


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はじめての仕事

【コホンッ! えー、茶番はここまでだ!】

ギルド長スタントンがパンッと大きな手のひらを叩くと、それまでガハハと笑っていた表情が一変し、一人の「ギルドの長」としての鋭い眼光になった。

【お前ら三人、今日から見習いとはいえトレジャーハンターだ。ここからは仕事(金儲け)の話をする。いいか?】

「……」

それまで騒がしかったギルド内に、スッと緊張感が走る。アカツキは静かに腕を組み、ジェイ・ジェイも表情を引き締め、アリーシャは背筋をピンと伸ばした。

副ギルド長シェルウェイが、羊皮紙の地図をテーブルの上に広げる。

[……お前たち見習いがまず狙うべきは、市場で常に引っ張りだこの『多用される素材』だ。今回狙ってもらうターゲットは──『ハードメタル』]

『ハードメタル! あ、知ってる!』

聞き馴染みのある素材の名前に、アリーシャはポンと手を叩いた。

『高級な武器とか頑丈な防具を作るのに、お父さんも鍛冶屋さんもよく使ってる素材だよね!』

「……ええ。ちなみに、私が使ってるこのショートソードもハードメタル製よ」

アカツキは腰の鞘からスッと刀身を抜いて見せた。鈍く美しい光沢を放つ刃に、アリーシャの目が輝く。

「刃こぼれしにくくて軽くて頑丈。武器や防具の材料としてとにかく多用されてるから、商人ギルドに持ち込めばいつでも確実に高値で買い取ってもらえるわ」

【そうだ! 職人どもや商人の連中が喉から手が出るほど欲しがる素材でな! 持ち帰って商人ギルドに売りつければ、がっぽり稼げる! つまり、掘れば掘るほど儲かるってワケだ!】

『掘れば掘るほど……商人ギルドが高値で買い取ってくれる……!?』

「多用される素材=確実な需要」と「商人ギルドへの高額売却」の響きに、アリーシャの瞳がキラーンと金の形に輝く。

[ただし、入手難易度はDランクだ。普通の鉄鉱石と違って簡単に浅層では手に入らん。そのハードメタルが採掘できる場所は……ここだ]

シェルウェイが指差した地図の場所に、アリーシャは思わず声を上げた。

『ええっ!? 『はじまりの洞窟』って……私がお父さんと最初に行った、あの洞窟!?』

かつて9年前、幼いアリーシャが探検ごっこで迷い込み、大量のレッドコウモリに襲われ、人生で初めて「鉄鉱石」を手に入れたあの思い出の場所である。

[あの洞窟の浅層には普通の鉄鉱石しか存在しないが……その最深部にのみ、長い年月を経て成熟したハードメタルの鉱床が存在する。最深部まで潜り、ハードメタルを大量に掘り出して商人ギルドに高く売りつけてこい!]

「ふんッ! はじまりの洞窟の最深部か! 燃えてきたぞッ! どんな凶悪な魔物が潜んでいようと、俺の鉄拳で粉砕して道を切り開いてやるッ!」

ジェイ・ジェイがバンッと自分の胸を叩いて息巻く。

「……目的は魔物の討伐じゃなくて素材の採掘。無駄な戦いは避けて、できるだけ多くのハードメタルを持ち帰るのがスマートよ」

アカツキはショートソードを鞘に納めると、アリーシャへ視線を向けた。

「アリーシャ、浅層の構造を知っているなら案内は頼めるかしら?」

『うん! 任せて! 昔とは違って、今の私なら探知魔法も使えるしバッチリ案内できるよ! たくさん掘って、商人ギルドにガッポリ売りつけちゃおうね!』

[ふっ……頼もしい強欲さだ。商人ギルドの鼻を明かすくらいガッポリ稼いでおいで]

【よし! 準備ができ次第出発だ! 成果を楽しみにしているぞ!】

「「「了解!!!」」」

こうして、本人の自覚なき万能者アリーシャ、熱血モンクのジェイ・ジェイ、冷徹シーフのアカツキによる三人パーティの初陣──『はじまりの洞窟・ハードメタル一獲千金作戦』が幕を開けるのであった!

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