第4話 signal heart
夢の世界よこんにちわ~。
私の前に広がるのは…
夢、夢、夢!! 夢と書いてゆめ!!
何だろう…夢の世界ってこういうところをいうのかぁ…って感じだぁ~。
そしてその夢の世界を生きる魔法者たち…こんなステキな設定ってアリ!?
これからは私もその魔法者の一員…
「あまり調子にのるなよ。」
「!!」
「もー、またー。そんな意地悪言わないで、ハク。」
「っていうか、調子になんかのってないし!!」
「嘘をつけ。オマエ、今『私もこれからは魔法者だ~』って顔してたぞ。」
どんな顔よ!!
「ったく…『証の門』をくぐれなかった奴がよくいうぜ。」
「『証の門』?? なにそれ。あ、もしかしてさっき越えてきた門?」
「そうだ。」
ア…。
そう、私はついさっき、その『証の門』とやらに弾き飛ばされていました。
この二人がいなかったら、このすばらしい夢の世界を見ることもできていなかったのです。
「『証の門』っていうのはねー、魔法者の証を見せるものなんだ。」
「魔法者の証?」
「そう。あの門は魔力のある者しか通れない。つまり、あの門をくぐることができれば魔法者ってこと。だからあの門は魔法者の証なんだ。」
「それを私はくぐれなかったと…」
「そうだ。本来ならお前は魔法者ではないため、この学園に入ることはできなかった。」
「う…。」
「まーでも、学園長はラルちゃんにもかくれた魔力があるって言ってたじゃん。あのサンリュウ学園長が言ってたんだから間違いないよ。だからそんな心配そうな顔しないで、ラルちゃん。」
「え、私そんな顔してたかな。」
「うん、顔がもうこーんなにひきつっちゃって。」
そういいながらサクセスは自分の顔を手でひきつらせた。
…本当にそんな顔してた?
二人はやっと地面に足をつけた。
それまではずっと二人に腕をつかまれてぶら下がっていたものだから、体がこわばっていた。
「イタタタタタ。」
「アハッ、ラルちゃんったらおばあちゃんみたいだよー。」
グサッ…何気に響く一言だ。
「…ッフ。」
「笑うなーーーーー!!!!!!!」
「ちょ、ちょっとラルちゃん? 暴れないで!! っぷ…」
「何よ?」
「ラルちゃん、小さくて…全く手が僕らの胸に届いてないよ…っぷ」
そう言ってサクセスは大爆笑。
確かに私は小さいけれど二人が大きいのもある。
私は顔を真っ赤にさせてもう一度手を伸ばしてあがいてみた…
が、届かない。
「も~~~!!!」
「アハハハハ、ラルちゃん、カワイイ!!」
じゃれあっている二人を横目で見ながら、ハクは別のものも見ていた。
学園内が見えた時から何か視線を感じていた。
やっとその視線をおくっている者を見つけた。その先には複数の女子が園庭の木に隠れているのが見えた。その女子たちは睨むようにして何かを見つめていた。
彼女らの視線の先にあったのはじゃれあうサクセスとラルティアだった。
…これは嫌な予感がする。
そう思ってハクは二人を見つめていた。
ラルティアはがんばってサクセスに攻撃をしているなか、一つの視線を感じた。
攻撃をしながらチラリと右を見る。
そこにはこちらをじっと見つめるハクがいた。
なんでアイツはあんなに見つめてるの?
そう思っていると顔が急に熱くなった。
「どーしたの? また顔がリンゴになってるよ?」
「ほえ?」
思わず気の抜けた返事をしてしまう。
「もー、やだなー。ドキドキしちゃってるの?」
そう言われた途端に胸が跳ね上がった。
「ど、ドキドキなんかしてない!!」
嘘だ。めちゃくちゃしてる。
けど、何に? サクセスにドキドキしてるつもりはないんだけど…
…サクセスも二つの視線に気づいていた。
ラルティアの気持ちにもうすうす気づいている気がした。
「もー。学園内での恋愛はやめてほしいなー。」
サクセスは小さくそう呟いて、何かを思いはせていた。




