第3話 夢への門
フッフフフーン♪
今日、私はすこぶる機嫌がいいのです!!
そう、なぜなら…今日が初登校日だからぁ~~!!
私はスキップをしながら女子寮から出てきた。すると目の前にはきれいな庭が広がっていて、その先にはレフール校舎の大きなお城がある。私はスキップをしながら堂々とそびえ立つそのお城へと向かった。いかにも魔法学校らしい制服を着た生徒が同じ方向に向かっている。…ステキだぁ。私もあんな風に見えてるだろうか。私は頭にに黄色いリボンをつけていた。大切な、大切な黄色いリボン。私の空色の瞳、髪の毛に似合うからって、ある人がくれた。…とはいうもののだいぶ小さい頃の話で誰がくれたか正直覚えていない。でも、私にとってもの凄く大切な人だったと思う。
私がそんなことを考えていると、いつのまにか立派な門が私の前にあった。思わず立ち止まる。
そんな私を素通りして、他の生徒は堂々と門を通って行った。
ゴクン…
私は唾を飲んで、おそるおそる足を一歩踏み出そうとする。
門の向こうに足を踏み入れようとした…が、
ガツーーーーーーーン!!!!!!!
えっ。
…何かに弾き飛ばされた…?
私はもう一度足を伸ばした。しかし
ガツーーーーーーーン!!!!!!!!
「な、なんなのよ、コレ~!!」
同じ制服を着た人たちが一斉に私を見た。
そ、そんなにじろじろ見るよりも助けてよ…
「おい、オマエ…」
いきなり後ろから低い声が降って来て、思わず振り返った。
「…ハク!!」
彼は唖然として後ろに突っ立っていた。
「なになに?? 何の騒ぎ? なんかあったの??」
そこに後ろからサクセスの顔がひょいっとでてきた。
「って、ラルちゃん!? どーしたの?? こんなところで寝ちゃだめだよ?」
「ね、寝てないよ!!」
私はイタタタタとか爺臭いことを言いながらゆっくりと立ち上がった。
「オマエ、まさかこの門が通れなかったのか?」
「う、うん…なんか通ろうとしたら見えない壁に弾き飛ばされた感じで…」
・・・・・・・。
この沈黙は何だろう…?
「オ、マエ…」
「エッ、何?? なんなの??」
「ラルちゃん、魔力がまっっっったくないんだねー。」
「え? 何? 聞こえなかったなぁ~。もう一回言ってくれる?」
「オマエの魔力が皆無だと言ってるんだ。」
「え、誰の?」
「オ・マ・エ・だ、ラルティア・セフネス。」
は?? 私の魔力が0? あー、やっぱりね。私に魔力があるなんてそんなわけないもの。最初っからそう思ってたよ。でもなんで学園長は私を入学させたんだろ。
「それはねー。」
「うぎゃあ!!」
ビックリしすぎて変な声が…
「っぷ、うぎゃあって…」
「笑うな、ハク!! っていうか、学園長!? どうしてここに? というか心を読まれたような…」
「クスッ、久しぶりねラルティア。まずは入学おめでとう。ところであなたは今、どうして学園長は私を入学させたのだろう…と思っていたでしょう?」
う、やっぱり読まれてる。
「ズバリ、その答えは。」
答えは?
私どころか、ハクやサクセス、登校中のみなさんまで息をのんで言葉を待った。
「答えは…あなたに魔力があるから。」
は?
「は??」
みなさん口があんぐり…ついでに私も、ハクも…
「あなたにはちゃんと魔力がある。だけど特別な魔力だから今は封印されているわ。それにまだあなたは魔法の勉強を一切受けていない。普通魔法者はその人特有の魔力と基礎魔力を持っているわ。あなたは今まで魔法について知ることもなく、魔力を一切使わずに生きてきた。だからあなたの基礎魔力までもが失われつつあるの。」
「そ、そんな…。」
ここまで来て魔力が足りないので学校にすら入れませーん、なんてシャレになんないよ…
「でも、大丈夫よ。これから少しずつその力をつけていけばいいわ。そうすればきっと、あなたの封印されている魔力も解かれるはずよ。そのためにこの学校へ呼んだのだから。」
「ッホ…そうなんだ。少し安心…ってでも肝心な学校に入れないんですよ!!?」
「ええ、そうね。だからしばらくはこの二人に手伝ってもらいなさい。」
そう言った学園長が指したのはいつもの二人。
「え!! 俺らですか??」
「何か文句でも?」
「い、いえ何も。…ま、いっか。ラルちゃんだし。これから毎朝楽しくなりそう♪」
「あら? ハクラルは納得のいってない様子ね。」
「い、いいえ…」
「だったらしっかりラルティアを守るのよ。」
え、そんな守るだなんて…
「そんじゃ、行こっか。」
サクセスは私の右腕を握った。
「はぁ、しょうがない。世話のかかるガキだ。」
「お、同じ歳じゃない!!」
ハクは私の左腕を握った。
「行くよ? いいかな。」
「うん!!」
「そんじゃ、夢の世界へ!!」
サクセスはまるでテーマパークに行くかのように言った。
そして二人が飛び立つ。私の足も地面から離れ、二人は私を連れて門の上を通り越した。
大きな門よりも高くから見た景色。
それは夢の世界だった。




