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第42回

 今年も「どっかーん!」の時期が来た。昨年は4月から1か月間イベントが行われ、ライブは夏に行われたが、今年は前回が好評だったのとAYB32は夏が繁忙期ということもあり、昨年12月に1か月間イベントが行われ、ライブは3月というタイトなスケジュールとなった。


 私は前回、選抜の16人には入れず特別枠の一人でライブに参加した。あのステージはいつものライブとは一味違い、ファン一人一人が推しメンに思い入れを持って、「どっかーん!」を取り組んだこともあり、熱狂が凄まじかった。

 今回は圏内に入りたい!選抜に入れなくてもこのライブだけはファンのみんなのためにセンターとしての姿を見せたいと思い、前回以上に「どっかーん!」にのめり込んだ。

 私の熱意が伝わってか、日を追うごとにプレイしてくれるファンの数は増えていき、「どっかーん!」での順位に関わるスコアも伸びていった。

 私は劇場公演前にマネージャーさんに声を掛けられた。

 「ひなちゃん、『どっかーん!』頑張っているらしいね。先輩メンバーも言っていたし、もしかしたら圏内に入るかもって運営の人も噂していたよ!今年は圏内に入れるといいね。」

 私は素直に嬉しかった。

 「はい!もっと頑張ります!」

 と、力強く答えた。

 その日の夜、SNSにこんな書き込みをした。

 (私は今回の「どっかーん!」のイベントに懸けています。ファンの皆様の力で必ず前回立ったライブのステージに今度は選抜メンバーとして帰ってきたいです!応援よろしくお願いします!)

 私はファンに媚びたようなお願いをするのは躊躇していたタイプだったし、むしろ課金してもらえるのは有難いけど、ファンの皆さんにプレッシャーを与えるのは嫌だった。しかし、そんな思いとは裏腹にSNSに書き込んでしまった。もう後には戻れない。

 

 そうして年が明け2月に入り、ライブに出演できるイベントでのスコア上位16人が発表された。

 「16位………。」

私の名前はまだ呼ばれていない。というよりも16位のメンバーは私よりも人気があるメンバーで落胆した。絶望とはこのことか。

 「15位、白石ひな。」

 (え…?これは夢?)

 「はい…。」

 嬉しいはずなのに現実感がなく声が思いのほか小さくなった。

 名前を呼ばれて起立したが、足が震えていた。

 全身の震えが治まらない中で選抜16人と特別枠2人の発表は幕を閉じた。


 「ひなちゃん!おめでとう!今年は圏内に入れたね!」

 マネージャーさんは自分のことのように喜んでくれた。

 名前を呼ばれたときは自分事のように思えず、茫然としていたが、マネージャーさんの一言で現実のことだとやっと理解出来た。

 「…ありがとうございます。」

 思わず涙が溢れてきた。

 お読みいただきありがとうございます!

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