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第40回

 2025年1月。僕は運動がこの自律神経失調症を治す最適解だと導きながらも何をすべきか決めあぐねていた。というのも僕は学生時代から大が付くほど運動は苦手で嫌いだ。体育の授業の実技で成績を稼ぐのは物心がついたときには諦めていたくらい苦手で嫌いだった。そんな僕が運動に向き合わないといけなくなった。逡巡していると正月を超えてしまっていた。


 ある日、相変わらずベッドで寝転がり、有宮博司のラジオを聴いていた。

 有宮博司は最近のマイブームについての話をしていた。

 「最近、ウォーキングというか歩くのを趣味にしていて一日に1万歩くらい都内歩いてて……。」

 僕は何となく聴いていたが、脳に稲妻が走ったような感覚を覚えた。

 (もしかして……これかもしれない。運動が嫌いな僕に出来ること……歩くことなら出来る。)

ラジオは続いていた。

 「目的を決めずに歩いて嫌になったらタクシー拾って帰ってくるんだけどね。昨日なんか2万歩も歩いちゃったから、歩きすぎて逆に身体痛くなっちゃって……。」

 (さすがに1万歩は無理でも千歩くらいから始めればいいんじゃないか……。)

 「歩いた後、ラーメン屋に入ったから全然痩せないんだけどね。ラーメン大盛りとチャーハン食べちゃうから。」

 正直、僕はこの後のラジオの内容は頭に入らなかった。

 すぐさま僕は万歩計アプリを登録した。

 一度は人生が面白くなくなって「社会のせい」と考えるきっかけになったラジオが今度は僕を救うことになるとはまだこの時は知る由もなかった。


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