第38回
外の木々は寒さに震え、めっきり冬が来たなと感じた12月。
僕は相変わらずの体調で何も出来ずに悶々とした日々を過ごしていた。
簿記の試験が終わったら次にしようと思っていたのは、就職活動だけではない。引き続き資格を取ってさらにスキルアップして社会を見返すくらい力をつけようと思っていたのだ。
その一つとして総務や経理の仕事で必要な資格を調べると表計算ソフトの技術が必要となっていた。そこで僕は表計算ソフトの資格を取ろうと思っていた。しかし、この身体では思うようにいかず、先行して買っていた中古の表計算ソフトの資格のテキストは軽く埃を被っていた。
そんな日々でもハローワークの求人検索は日々の日課として確認していた。そんなある日、光り輝くような求人を見つけた。
その会社は家から近くにある老舗の工場で化学工業薬品のメーカーの経理だった。
従業員数は40名の小規模で資格や経験は不問だが、休みは多く確実に簿記2級が活きる。何より地味な僕にぴったりの家の近くの工場だったのだ。
だが、問題はこの体調だ。タイミングが悪かった。今、無理をして応募をして、
「是非、弊社に来てください!お願いします!」
なんて言われても勤められない…。従業員の少ない工場だが子供の頃からその大きなプラント設備は見ていたので憧れがあった分、悲しかった。
数日後、毎週新聞に折り込まれる求人広告チラシにも大々的に『経理業務大募集!』と書かれていたのを見て、胸が苦しかった。
体調を崩してしまって仕方がないと言ってもこの打開策のない自律神経失調症をどうにかしないと前に進めないと思った。
僕は必死に検索をして調べた。「自律神経失調症 治し方」「自律神経失調症 原因」…。
しかし、既に読んだ記事ばかり出てきた。
「もうダメか…。」
そう思っていた時にどこかの大学の医学部が掲載していた論文にこう書いてあった。
『……自律神経の一つである交感神経が高ぶると副交感神経で司る胃腸の動きが鈍くなる。
従って、胃腸を動かすためには日常的な“運動”が欠かせない。……』
(運動…………。)
規則正しい生活とは食事、睡眠、運動が三原則だ。そう、僕には運動が足りなかったのだ。
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