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第37回

 2024年11月。暑かった夏もすっかり忘れるくらい涼しい風が紅葉を揺らしていた。

 私は地方出張公演も終わり、大学の勉強にも少しずつ専念出来るようになってきたときに事件は起きた。


 とある日の夜、いつもおどけている同期の真白優愛から真面目なLINEが届いた。

 『大変』

 『何が大変なの?』

 私は届いてすぐに返信した。

 『純奈ちゃんから熱があるって連絡が来て。』

 純奈ちゃんというのは私と優愛が加入した20期生とは一つ下の期である21期生の後輩の遠藤純奈のことだ。

 『え?体温何度くらいなの?』

 『詳しくは分かんないけど、38度は超えているって言っていた。私は今、実家で遠いから行けないし、どうしようか?』

 私は返信を返す暇もなく上着を羽織り、両親に純奈が一人で住んでいるマンションに行くことを告げて家を出た。

 途中、スーパーに寄って風邪薬や水、スポーツドリンク、お粥の材料、冷却シート、数日分の食事等を揃えてバスに乗り込んだ。

 『今、純奈ちゃんの家向かっているから優愛は心配しないで…。様子分かったらまた連絡する。』

 

 到着すると時刻は日付を跨ごうとしていた。

 私はチャイムを鳴らすと元気のなさそうな純奈が顔を覗かせた。

 「純奈ちゃん、大丈夫?」

 「え!ひなさん、こんな時間に来てくれたんですか?」

 「心配になって家飛び出してきちゃった。熱どう?」

 「とりあえず、上がってください。」

 私は買ってきた食べ物をキッチンに置くと、横になっている純奈がお茶でも、というので止めた。

 「熱は最高で38.4度あって、今は下がって来ているんですけど。」

 「とりあえず何か食べた?」

 「食欲なくて…。」

 「お粥の材料買ってきたから食べる?」

 「はい、ひなさんのお粥食べたいです!」

 私は簡単にお粥を作った。

 「口に合うか分からないけどどうぞ…。」

 「絶対美味しいですよ!前に番組で料理企画があった時、舞さんに勝っていましたもんね!」

 純奈は次々にお粥を口に進めていった。

 「ひなさん、ありがとうございます。」

 「全然、いいよ。私も過労で体調崩したことあったからさ。一人暮らしで体調崩すと心細いよね。」

 私は冷却シートを純奈の額に貼り、安心したのか純奈はベッドで眠った。

 私も純奈の顔を見ると安心して同じ部屋で眠り、朝を迎えた。


 お読みいただきありがとうございます!

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