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第33回

 2024年9月。セミの鳴き声も控えめになっている季節になってきた。

 僕は体調不良と日々戦いながら「センターライン」のラジオを聴いていた。

 「『センターラインのラジオ』今週も始まりましたけども、今日はとある場所からお送りしています。相方の中村は遅れているんですけれども…。」

 いつもとは雰囲気の違うツッコミの中川慎一の第一声から始まった。

 「相方の中村は今、こちらへ向かっているようですが、中継をつないでみましょう。」

 半分、笑いながら中川は中継を振った。

 「おい!ここどこなんだよ!急にロケバスに乗せられて今、アイマスク付けられているから今どこなのか、何が行われているか、分かんないんだよ!説明してくれよ!」

 ボケの中村優太はいつものようにいじられ叫んでいる。

 「さあ、それは置いておいて…最近の政治の話題ですけどもね…。」

 中川はまたも半笑いで話題を変えた。

 おそらく僕以外のリスナーも状況が理解出来ていないだろう。


 少し中川の一人話が続き、もう一度中村へ中継を繋いだ。

 「今、外にいるんだけど本当にここどこ?あ、今、建物の中に入って通路歩いているけど…」

 「階段とか気を付けてくださいね。」

 「いつもの場所に行ったら中川さんいないからさ、何が起こっているか分からないよ。」

 「だんだん私の声聞こえてきましたか?」

 「うん、地声が聞こえてきたけどどこ?ここ。」

 中川は笑いながら言った。

 「アイマスクを外してください!」

 「眩しい…え…ここどこ?観客席?え?」

 「今、私たちがいるのは武道館です。来年、2025年2月に武道館での単独ライブが決定しました。」

 「え?どういうこと?」

 中村は状況が呑み込めていないようだ。

 僕は深夜なのに「えっ!!」と声が出てしまった。

 中川は大声で発表した。

 「もう一度言います。2025年2月にセンターライン、武道館で単独ライブやります!」

 「え?本当に!?俺たちもここまで来たのか。」

 その発表後、各メディアでは『センターライン 武道館でライブ決定“異例の放送”で発表』と取りあげられた。

 その後の放送はその衝撃であまり覚えていないが、武道館の中を巡って色んなライブの構想を練る放送になっていたと思う。


 お読みいただきありがとうございます!

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