↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
32/51

第32回

 「どっかーん!ライブ」が終わると、私は地方出張公演のレッスンに追われていた。

 地方出張公演は北海道から沖縄県まで20都市で開催される予定になっており、メンバーの中で3番目に多い10公演回ることになった。実施時期は9月上旬から10月下旬まで実施され、私の地元である神奈川県公演にも出演することが決まった。


 私は大学3年生になり、この夏は大学の期末試験とレポートで地獄だった。理学部というのは文系学部のように自宅でレポートを書いて提出したら済む科目は少なく、筆記試験がメインとなる。数式や物理法則、化学反応式を暗記してその場で解かなければならず、1つの科目を落とすと即留年となる危険もあった。また、研究室の配属の進路選択も迫られており、心身ともにいっぱいになっていた。


その上、スケジュールを調整しての10公演回るというのは自分の中のキャパを既に超えていた。この頃から過労からくる体調不良で公演を休演することが増えた。

 両親には加入当初から「学業とアイドル活動の両立」をすると約束していた分、休演となることは心苦しかった。


 そんな中でも応援してくれるファンのために頑張ろうと思い、日々の公演から地方出張公演のレッスン、大学の勉強と努力を続けた。

 ある日、レッスンの途中で目の前がちらつき真っ暗になって、膝から崩れ落ちた。

 その後、視界はぼやけながら、メンバーやレッスンの先生の声が微かに聞こえた。

 (私、どうしちゃったんだろう…。)

 その時は何が起こったか分からなかった。

 その後、救急車のサイレンが遠くから段々と近づいて来る音が聞こえ、私は病院へ搬送された。

 気が付いたら両親とレッスンの先生が傍らに立っていた。

 「大丈夫だからね…。ひな…。毎日頑張っていたもんね…。」

 母の声は震えているように聞こえた。

 医師が部屋に入ってきてこう告げた。

 「疲労とストレスから来る貧血だと思います。意識もしっかりしていますし、今日、点滴が終わったら帰れますよ。これからはしっかり休養を取るようにしてくださいね。」

 私は情けなさと辛さで涙を流した。

 この時ばかりはもうAYB32の活動を続けられない。卒業を真剣に考えた。


 お読みいただきありがとうございます!

 少しでも「面白い」「続きが気になる」と思っていただけたら、ページ下部の【ブックマーク追加】や【評価(★★★★★)】で応援していただけると大きな励みになります!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。