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第28回

 2024年3月のお彼岸に先祖の墓に手を合わせに行った。

 (おじいちゃん、僕、簿記2級なんとか合格出来ました。定職について両親を早く安心させるからね。)

 その日は少し季節外れの汗が出る日だった。

 その翌々日から僕は眠れなくなった。

 (簿記終わったけど、これで就職面接突破出来るのだろうか…。)

 そのようなことを毎晩考えるようになった。振り払おうとすればするほど、その観念は襲ってきた。


 4月のある日、いつものように寝つきが悪いなと思っていた時、僕は穴の中に堕ちる感覚を感じた。急に不安になり、夢か…と思う。いや、違う。現実だ。急に寒気がし、冷や汗をかく。吐き気を感じ、体が動かない。手足がしびれ動けない。なんだ…。落ち着け。

 一時間ほど経ち、心が落ち着いた時には症状は治まっていたが、相変わらず動悸と吐き気が残っていた。翌日も吐き気と強い倦怠感がある中、親に昨日のことを相談したら、

「大丈夫でしょ。」

と言われた。

 一週間が経ち、まだ吐き気が止まらないのでかかりつけ医へ駆け込んだ。

 僕が一週間前のことを医師に説明すると、

 「自律神経の興奮からくる自律神経失調症かもしれません。」

 と言われた。吐き気止めの処方薬を飲んで様子を見るようにとのことだった。

 大きな病気ではなかったことに安心した一方で、簡単に治る症状ではないとネットに書いてあり落胆した。

 簿記2級に合格したら少ない貯金で白石ひなに大阪の握手会へ会いに行くというモチベーションで頑張っていた。そして、次は就職活動がこれまでと何か変わるだろうと思っていた矢先に就職どころではない状態になった。


 朝は低血圧なのか倦怠感で動けないし、日中、夜間問わず吐き気に襲われた。

 症状が重くベッドで夜、白石ひなのSNSを見るとAYB32の地方出張公演が行われるということと「普段会えない沢山の方と会えることを楽しみにしています!」という言葉に泣いた。

 その後、一週間、二週間経ちニュースで「ゴールデンウィーク目前!」という言葉が飛び交う時期になっても倦怠感と吐き気、そして病院や公共の場所へ行くときに緊張で動悸がすることに変化はなかった。

 お読みいただきありがとうございます!

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