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第2回

 僕は25歳になっていた。舞都市の実家でベッドに寝転がったままスマホを眺めていた。四捨五入すれば30歳も見えてくる年齢。高校を卒業して7年も経つのに定職にもつけず、アルバイトで勤めていた仕事も続かず、ただ貯金を切り崩し、毎日を消化する日々が続いている。そんな自分が一人の大学生の女の子に一目で心を奪われて応援するなんて馬鹿げている、そう言ってため息をつき、ベッドにスマホを投げた。

 

 面接会場は舞都市の東端の小さな物流会社の会議室で行われた。

 採用担当の男性はその物流会社の社長で60歳くらい。眼鏡の奥の目が最初から厳しかった。

 「佐藤悠真さん、25歳……高卒ですか。まず、前職を辞めてから3年空いているね…刑務所でも行っていたの?ハッハッハ…」

 「いえ、違います。」その言葉しか返せなかった。

 「物流関係のアルバイトを半年でやめて、その後農業関係のアルバイトも半年で辞めている。理由はいずれも一身上の都合ですか?」

 「はい、そうです。人間関係で上手くいかなくて…」

  面接担当の男性は大きくため息をついた。

 「資格は簿記3級か。簿記3級だけでは男性の経理や総務の仕事は厳しいよ。君の歳なら簿記2級いや、会計士くらい目指さないと。」

 僕は心の中で大きなため息をついた。また不採用か。

 「今日はありがとう。結果は後日連絡するよ。」

 会議室を出た瞬間、瞳が涙で潤んだ。外はもう暗くなり始めていた。自分の車に乗り込み、僕は小さな声で呟いた。

 「また、ダメだった…。」

 スマホを取り出してAYB32の白石ひなのSNSを開いた。18歳の彼女が一生懸命に笑っている姿を見ていると胸が苦しくなった。

 (俺は何をやっているのだ!………親に今日のことなんて言おうか…。)

 その夜、実家に帰り今日の面接の様子を話すと両親は意外にも笑っていた。

 救われた半面、心が抉られるような想いに駆られた。


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