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第17回

 灼熱の太陽が陰を落としそうで落とさない2023年9月。新曲『サヨナラのサイレン』の発売が発表された。私は天野舞の名前が呼ばれることは分かっていたが、20期生からは衝撃の3人が選抜された。

 「20期生から3人も選抜…。」

 私は衣装のスカートを思わず握りしめていた。同期が選抜に入るのは勿論嬉しいが、悔しさなのか焦燥感なのかなんとも言えない気持ちも入り混じっていた。


 新曲発売と同時期に21期生のお披露目も発表された。

 初めての後輩ということで嬉しい気持ちでいっぱいだった。感情がジェットコースターになるのがAYB32であり、アイドル活動の厳しさだということを改めて噛み締めた。

 21期生のお披露目は劇場で無観客の生配信にて行われた。

 一人ひとり個性があり、輝いていた。私はレッスン終わりに同期の山村碧と一緒に配信を見ていた。

 レッスン場で他のメンバーも見ているのだろうか。

 「この子、可愛いね!13歳だって!最年少じゃなくなっちゃったー。」

 と、同期の最年少メンバーが嘆く声が聞こえてきた。

 私自身、後輩が出来るのはとても嬉しかったし、楽しみでもあった。家族の中で兄がいて、末っ子だった私に初めて妹が出来る気分だ。心は完全に踊っていた。

 しかし、20期生が3人選抜された新シングルの選抜発表以来、私の心は荒んでおり、後輩に先を越されて選抜に入られるのではないかという不安が心を占めていた。

 お読みいただきありがとうございます!

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