第17話 はじめての収穫
葉。
増えた。
第一畑。
土芋。
六株。
「……そろそろ?」
いつ収穫するのか。
正確には分からない。
アルドさん。
「葉が元気なら、まだいいんじゃないか」
「農業詳しい?」
「詳しくない」
「ですよね」
商人。
農家。
違う。
◇
《土地鑑定》。
《地下植物反応:大》
《生育状態:成熟傾向》
「成熟」
初めてそんな表示。
「一株」
試す。
全部掘るのは怖い。
でも一株なら。
◇
鉄の鍬。
株から少し離れる。
「ここ」
深さ。
分からない。
浅く。
土を崩す。
「根まで切らないように……」
もう一度。
土。
茶色。
「あ」
手が止まる。
指で土をかき分ける。
「……土芋」
一つ。
出る。
でも。
植えた。
一個。
「これだけ?」
さらに掘る。
「……あ」
二つ目。
「え」
三。
四。
小さい。
大きい。
「増えてる!」
声が大きい。
「アルドさん!」
「何だ!」
「増えてる!」
「芋なんだから増えるだろ!」
「分かってても!」
植えた。
一つ。
土。
水。
時間。
何個。
「……すごい」
拾う。
籠へ入れる。
土がつく。
重い。
◇
私は畑へ座る。
少し見る。
最初。
野生で見つけた。
食べられるか怖かった。
少しずつ試した。
その一個を植えた。
芽が出た。
畑を作った。
五個追加した。
水を何度も運んだ。
柵を作った。
水路を引いた。
「育った」
自分で作った食べ物。
◇
「全部食うのか?」
アルドさん。
「……」
籠を見る。
「食べたい」
「食え」
「でも」
次。
植える。
「残す」
「そうだな」
小さいものをいくつか分ける。
「これ、次」
正しい種芋の選び方は知らない。
でも。
全部食べたら。
終わる。
「次に繋ぐ」
◇
夜。
鍋。
収穫した土芋。
野豆。
角兎。
少しの塩。
「いただきます」
一口。
「……」
「どうだ?」
「おいしい」
「前と同じ芋だろ」
「違う」
「何が?」
「私の畑」
「味変わるのか?」
「気持ち」
「それは知らん」
笑う。
味はたぶん同じ。
でも。
今までで一番おいしい。
食べ物を探す生活から。
育てて食べる生活へ。
少し進んだ。
「もっと畑広げよう」
鉄の鍬を見る。
次を考える。
食べて。
また増やす。
それが。
できるかもしれない。
◇
収穫。
翌朝。
掘った場所。
見る。
一株。
なくなった。
でも。
隣。
五株。
まだ。
ある。
「全部いっぺんに掘らない」
決める。
食べる分。
必要な時。
少しずつ。
収穫。
貯蔵。
方法。
まだ。
分からない。
物置。
涼しい。
でも。
長く。
持つ?
知らない。
「また試すこと増えた」
土芋。
一個。
物置。
置く。
日付。
分からない。
だから。
石。
横。
一個。
置く。
「一日一個増やす?」
面倒。
「いや」
畑の端。
線。
記録。
もっと。
文字。
覚えたら。
管理。
楽。
そういうところでも。
外の知識。
必要。
「農業って」
育てる。
だけ。
じゃない。
収穫。
残す。
保管。
次。
植える。
全部。
続く。
でも。
その続き。
考えられる。
食べ物。
増えた。
証拠。
「悪くない」
私は。
次の種芋にする分を。
別の籠へ。
丁寧に分けた。
◇
翌日。
残した種芋を見る。
「これ、いつ植える?」
今すぐ?
少し置く?
分からない。
だから。
全部同じにしない。
一部。
先に植える。
一部。
数日置く。
「比べる」
今まで。
何度も。
そうしてきた。
正解。
知らない。
なら。
条件。
変える。
結果。
見る。
農業。
専門家じゃない。
だから。
自分なりに。
覚える。
収穫できたことで。
試す余裕も。
少し生まれた。




