第22話 畑を広げよう
芋畑の横。
私は地面に立って悩んでいた。
「狭い」
六株だけなら十分だった。
でも豆らしい植物も植えたい。
将来、芋をもっと増やしたい。
「広げよう」
家ができた。
水瓶がある。
鍋もある。
籠もある。
以前より使えるものが増えた今なら、最初の畑を作った時よりは楽なはず。
「……たぶん」
◇
土地鑑定で周囲を確認する。
《植物生育適性:中》
《地盤:普通》
《降雨時浸水危険:低》
今の畑の横も同じような状態だ。
「ここでいいね」
柵の外側へ、新しく範囲を取る。
今の畑と同じくらい。
「第二畑」
名前は立派。
実際は土を囲っただけになる予定。
石斧ができたことで、以前より木の枝を集めるのは楽になった。
ただ、土を掘る道具は相変わらず尖った石。
「スコップ欲しい……」
何度目か分からない。
硬い表土を崩す。
石を取り除く。
籠へ入れる。
畑の外へ運ぶ。
腰が痛い。
「全然、楽じゃない」
道具が増えても大変なものは大変だった。
数日かけて土を整える。
取り除いた石は捨てずに端へ並べる。
そして柵も延長した。
「できた」
第一畑と第二畑。
並べて見ると、かなり畑らしくなった。
◇
豆らしい粒を何個か埋める。
「深さ……分からない」
浅すぎても駄目。
深すぎても駄目。
きっと。
「じゃあ半分ずつ変えてみよう」
浅め。
少し深め。
場所を分ける。
どちらが育つか試す。
「こういうのは、分からないなら比べればいい」
この世界へ来てから、少しずつ身についた考え方だった。
水をやる。
終わって。
「……水瓶、空」
第二畑まで増えたことで、一回の水やりに使う水が増えた。
水場まで行く。
小型器で水を汲む。
水瓶へ運ぶ。
また汲む。
「一、二、三……」
何往復もする。
水瓶を大きくした意味はある。
水やりの時間を選べるから。
でも結局。
水そのものは運ばなければならない。
「畑、もっと増やしたら……」
水場を見る。
畑を見る。
その間の地面を見る。
「水が勝手に来てくれたらいいのに」
口にして。
止まった。
「……水を流す?」
湧水から畑まで。
距離はそれほどない。
水は高いところから低いところへ流れる。
「できないかな」
新しい畑ができた日。
私は次の大仕事を思いついてしまった。




