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技能《土地鑑定》で異世界開拓! ~剣も魔法も選ばず、何もない荒野に一から住処を作ります~  作者: 深夜のトースト
何もない荒野に、暮らしを

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第16話 家の骨組み

「柱は……四本でいいかな」


 家予定地。


 地面に置いた四つの石を見る。


 四隅。


 そこへ柱を立てる。


 頭の中では簡単だ。


 問題は実際にやる時だった。


「深さ、どれくらい?」


 分からない。


「とりあえず……これくらい?」


 掘削用の尖った石で穴を掘る。


 土は畑を作った場所より硬かった。


「家作るのって穴掘りからなんだ……」


 一つ掘るだけで腰が痛い。


 四ヶ所。


 半日かかった。


「よし」


 丸太を一本立てる。


 穴へ入れる。


 周囲へ土を戻す。


 踏む。


 小石を詰める。


「立った」


 手を離す。


 ぐらっ。


「…………」


 少し傾いた。


「まあ……一本だから」


 二本目。


 三本目。


 四本目。


 全部立てた。


 離れて見る。


「家……?」


 ただ棒が四本立っているだけだった。


「ここからだよね」


     ◇


 柱の上へ横向きの木を渡したい。


 でも。


「一人でどうやるの?」


 当然、支えてくれる人はいない。


 丸太を一本持ち上げるだけでも大変だ。


 私はしばらく考えた。


 まず柱の横へ大きめの石を積む。


 その上へ丸太を置く。


 少し持ち上げる。


 石を追加する。


 また持ち上げる。


「ちょっとずつ……」


 なんとか柱の高さ近くまで上げた。


「あと少し……!」


 最後は肩で押し上げる。


 丸太が柱の上へ乗った。


「乗った!」


 すぐに草紐で縛る。


 屋根や柵より太いものを支えるので、紐も何本も使った。


「落ちないでね」


 次の一本。


 さらに一本。


 半日かかって、柱の上を横木でつないだ。


 離れて見る。


「おお……!」


 四角い枠。


 家の形が少し見えてきた。


 嬉しくなって柱へ手をかける。


「これなら――」


 ぐらっ。


「え?」


 家全体が揺れた。


「待って」


 もう一度、軽く押す。


 ぐらぐら。


「これ危なくない?」


 風が吹いたら倒れる。


 絶対倒れる。


「どうするの……」


     ◇


 その日は完成を諦めて、骨組みを眺めながら考えた。


 何が足りない?


 柱。


 横木。


 四角。


「四角だから動く……?」


 柵を思い出す。


 枝を斜めに押し当ててみる。


「こう?」


 一つの柱から、隣の柱の下の方へ斜めに枝を渡す。


 固定する。


 反対側にも。


 その状態で押してみる。


「……あ」


 さっきより動かない。


「斜めの一本って大事なんだ」


 理由は分からない。


 でも実際に安定した。


 他の面にも斜めの枝を追加する。


 草紐を何度も巻く。


 途中で一本切れる。


「もう!」


 作り直す。


 また縛る。


 日が暮れる頃。


 私は柱へ両手を当てた。


 押す。


 少し揺れる。


 でも。


「倒れそうではない」


 ようやく骨組みらしくなった。


     ◇


 翌朝。


 風が少し強かった。


 私は起きてすぐ家予定地を見る。


「立ってる」


 四本の柱。


 横木。


 斜めの支え。


 全部残っている。


「よかった……」


 まだ壁も屋根もない。


 でも。


 荒野の中に、四角い形が立っている。


 今までなかった景色。


「家になってきた」


 私はしばらく、それを眺めていた。

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