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次元税関突破と、消えたオーナー(※日常崩壊まであと3話)

あそぶぞー!!

ファンタジー世界の懐かしき渓谷へ無事に帰還した『スライム温泉郷』。次元税関での一件も乗り越え、いつもの騒がしくも平和な営業が再開されるはずだった。

だが、翌朝。


「……女将様! 大変ですわ! オーナーの姿がどこにもありません!」


ボイラー室の点検を終えたシルフィエットが、血相を変えて帳場へ駆け込んできた。

いつもなら、ピカピカに磨かれた縁側の隅や、帳場のカウンターの裏ででろーんと平たくなってサボっているはずのギャラクシースライムの姿が、完全に消え失せていたのだ。


『はぁ? あのサボり魔のことだから、どうせまたワールド・タートルの甲羅の裏にでもへばりついてるんでしょ?』

アイリス(アバター姿)が呆れたように扇子をパタパタと仰ぐ。


だが、勇者アーサーが厨房から一枚のメモ用紙を持って飛び出してきた。

「アイリスさん! オーナーの寝床に、こんな書き置きが……!」


そこには、見慣れたスライムの丸っこい字で、謎の詩のようなものが綴られていた。


毎日のおもてなし。黄昏(タそがれ)の空の下で働くのも悪くない。

だけど、素晴らしい(スばらしい)仲間たちと過ごす日々の中で、

ふと、この景色(ケしき)に疲れを感じることもある。

だから少しだけ、手紙(テがみ)を残して一人旅に出るよ。探さないでくれ。


(※なろうルビ仕様。ふりがなの頭文字を縦読みすると……『タスケテ』)


「……なんだこのポエム。ついに過労でポエムを書き残して失踪したのか?」

アーサーが首を傾げる。

『……違うわ。あの守銭奴……じゃなくて、怠け者のスライムが、こんな遠回しな家出をするはずがない。これは、何らかの異常事態を伝える暗号よ!』


アイリスがメモを握りつぶした瞬間。

旅館全体を、不気味なノイズ音が包み込んだ。


「な、なんだ!? 空間が……歪んでおるぞ!」

魔王が叫ぶ。見慣れた木造の壁が、チカチカとテレビの砂嵐のように点滅し始めたのだ。


『まさか、昨日の次元税関で、何かの次元ウイルスに感染した……!?』


旅館の空気が急激に冷え込み、空間そのものが崩壊し始める。

俺の定時退社を懸けた最後の戦いが、今、最悪の形で幕を開けようとしていた。


オ̷ー̶ナ̴ー̸不̷在̵・̵空̷間̴座̴標̴エ̴ラ̸ー̸・̸シ̵ス̷テ̷ム̶崩̶壊̴開̷始̵……

ここまでお読みいただき、誠にありがと――


『ちょっと待ちなさい! 作者の呑気な挨拶なんてどうでもいいわ!』


(※ここから先は、若女将アイリスが執筆環境を乗っ取っています)


『そこ、画面の前で読んでるあなた! そう、あなたよ! 毎日タダでうちの宿(物語)に入り浸ってるんだから、今日から「新人従業員」として働きなさい! 宿泊費のツケ、体で払ってもらうわよ!』


『大変なことになったわ。ナルセ(オーナー)が消えて、宿の空間が崩壊し始めてるの! 新人のあなたには、今すぐオーナーの捜索を手伝ってもらうわ。最初の捜索場所を以下の二つから選んで、感想欄(業務報告書)に提出しなさい!』


【Aルート】:ボイラー室の地下空間を探る(シルフィエット同行)


【Bルート】:厨房の異次元貯蔵庫を探る(魔王同行)


『それから、業務報告(感想)を書くときは、必ず出勤証明のパスワードとして文末に「♨️」の絵文字をつけること! 忘れたら時給カットよ!』


『最後に……うちの宿の存続には、全宇宙(サイト)からの「評価」が必要不可欠なの! 宿の宣伝のために、レビュー欄に「宇宙一の温泉宿です! ぜひ来てください!」ってサクラ……げふんげふん、お客様のリアルな声を書き込んでおきなさい! いいわね!?』


『さあ、選んだらすぐに出勤よ! ナルセを見つけ出さないと、この宿、本当に終わっちゃうんだから!』


(※活動報告にて、本日のシフト表とさらなるヒントを公開中です!)

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