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フォニックス オワリノハジマリ  作者: ことこん
第一章 潜入(第一段階)
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第五部 snow brighter

 だから、人生で一度だけで良いから、自分のルールで生きてみたい。

「フィラ。通信、切りますね」

何か言われる前に切った。

あとは十八人。

「さあ、」

ネクタイを緩め、シャツの上ボタンを外し、コートを雑に脱ぎ捨てる。

「ここからは、私の時間です」

十八人が、各々動き回って攻撃してくる。

読める読める読める。全てが見える。

勝利への道さえも。

「あとは、私の身体が付いてくるか、ですね」

力の配分なんて、考えていられない。

とにかく、この衝動をここで昇華させたい。

「ホワイトアウト」

辺り一面が、白に染まる。

心地良い。窺う顔もない。

視界が無かろうと、全て、把握できる。

最初の一歩を踏み出す。

体が軽い。

僕はステップを踏みながら、十八人を蹴り倒す。

残念ながら、全く決定打にはなっていない。

「まだまだチューニング中です。

皆さん、あと少々お待ち下さい」

ホワイトアウトをやめる。

視界が一気に開ける。

足元の液体が凍りつき、スケートリンクの様になった。

ただの革靴なので、ゆったりと滑る。

服装を正す。

「それでは、始めましょうか。

……踊り明かそう。

空間術『雪明館』」

無機質な部屋を、舞踏会の会場に。

「身分も力も関係ない。

ただ、そこに音楽と踊りがあるならば」

ひとりでに音楽が流れる。

十八人にも、正装をしてもらう。

それまで攻撃をしていた彼らは、共に手を取り合って踊り出す。

伸びやかな音楽に乗り、自由な踊りを。

空虚な彼らの人生を、音楽で始めよう。

ステップで相手を踏んだっていい。

服装は自分の赴くままに。

ここは、この世界のどこよりも、自由な場所だから。


一日目:AM九時


 僕たちは舞踏会を終える。

ようやく通信を再開する。

『……ドラセナ。君はすごいよ。

どうして、彼らを一斉に仲間に出来るんだか』

「フィラ、あなたには厳しいでしょうね」

『……今日は随分と毒付くじゃないか』

「あなたにだけは言われたくありませんね」

『……そんなドラセナに、頼みがある』

「はい?」

『こっちに、戻って来てくれ』

「彼らは連れていっても?」

『どっちでも良い』

「承知致しました」

彼らは言葉を知らないが、互いを仲間と認識していた。

フィラの方で、おそらく何か重大な事があったのだろう。

ならば、僕たちで行くべきですね。

部屋を出ると、一回は既に静まっていた。

しかし、二階が騒がしかった。

振り切れるだろうか。

彼らのうちの一人が、瞬間移動を発動した。

こうやって、互いに足りない所を補い合う。

いつもやっている事なのに、今日は何故か楽しかった。


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