第三部 対策
でも、狙いはそこにある。
『お願い、シン』
『ああ』
色々考えたけど、いくら僕がいてもキリュウが自ら研究所の外に出るなんて考えにくい。だから、いっそ全員瞬間移動させる事にした。
「も〜、後で絶対怒られるし……なんで首輪が反応してないの?」
その言葉の通り、キリュウの首には仰々しい首輪が付いている。やっぱり、首輪をつけて外には出られないらしい。
「僕らがそんな事も考えないと思った?うちのレオンは、見た目程馬鹿じゃないよ」
「おい!俺の見た目も馬鹿じゃないだろ!」
まぁそれは置いといて。
キリュウはこれ幸いと僕に近づき、おそらく体を乗っ取ろうとしたのだろう、魂だけで動こうとした。
「ツーハ、お願い」
「りょーかい!」
でも、ツーハが間に入る事で防げる。たかが普通の魂如きが、“神”が存在している体に入るなんて出来ない……これは僕の本からの知識だ。
「……仕方ない、か」
キリュウは一瞬にして辺りを火の海にしてみせた。
「ぜーんぶ、焼き尽くしちゃうんだから♪」
その勢いは止まらず、放っておけば兎の国すら怪しくなりそうな勢い……だけど。
「頼んだよ、セイ」
本当はエントも参加して貰いたかったんだけど……毒持ちは彼以外で中々倒せそうに無かった。
セイは見事に草木を焼く炎を吸収していく。
これに、キリュウはますます妖気を激しくさせた。
「ボクの技は炎だけじゃないしね♪」
キリュウは岩石をどんどん落としていく。これは、個人に頑張って貰うしかない。
「あははは!」
僕はレオンに跳び乗る。体力はなるべく温存したいしね。
「落ちんなよ悪口野郎!」
「大丈夫……あと、つい言い過ぎた、」
「分かってるって、本音じゃない事くらい」
レオンは岩自体に跳び乗りながら避けて行く。下の方では、近接に強いメンバーが中心に岩を砕き、無力化している。
「楽しいな♪じゃあ、これはどう?」
キリュウは水を洪水でも起こす気らしい量流して来た。
「しゃーねーな」
なんと、シンはそれを纏めて瞬間移動させてしまった。
「妖力は?」
「大丈夫だ。攻撃は任せるけどな」
シンも来た時は僕を警戒してたけど、今やこうやって正直に物を言えるようになった。どっちかというと、向こうが大人になったのかもしれない。
「ドラセナ」
「はい、ただいま」
ドラセナは空間術を使った。巻き込んだのは……シンとツーハ。
『作戦通り、そこを一旦の拠点にするから』
『ああ。このチビを攻撃に使うんだろ?』
『チビって言うな!』
このメンバーで、勝ちたい。




