第五部 chaos
みんな〜!忘れてないよね?
ボク、サリィは今キリュウの足止めをしている。フィラ君の予想が正しかったら、十二時までだから……あと十分って所かな?
「ほらほら〜、よ〜く狙わないと当たらないよ〜?」
威力は化け物だけど、なんか板についてない感じで凄く避けやすいんだよね。
「……なんでキミみたいな人間があんなのに協力してんの?」
「リーダーの縁もあるし……何より依頼されたからね」
「……え?」
「って訳で、おやすみ〜!」
ボクはキリュウを最下層まで叩き落とした。十分以内で戻って来るのは不可能だよね。ボクも一旦帰ろっと。
瞬間移動で戻ると、ボクはテイラーの所に行った。
「ただいま〜!」
「おけーりー」
テイラーはそう返してくれたけど……表情は深刻そうだ。
「どうしたの?」
「うーん……多分、休憩時間はもう終わりっぽいね……大量にキメラたちが解き放たれてる」
「……なるほどねぇ」
みんなにその事を伝えて、とりあえずボクはテイラーと現場に向かう。
キメラが見境なく暴れて、周囲の地形を変えているのが見えた。しかも、そんなのが湧き水のように出て来ている。
「今回の依頼はハードっぽいねぇ……」
と、思わず呟く。
「依頼主が依頼主だしね。……それに、『任務中に依頼主の正体を味方に教えろ』って……変な条件だよね」
「まぁあいつらしいか」
……キメラの前で何のうのうと話してるんだ、って思った?ちゃんと倒しながら話してるから大丈夫だよ〜!まぁ、数が減る気配は無いけど。
「手、足りるこれ?」
「多分足りないね……明日の夜までに片付いてたら優秀、って感じかな?」
「やっぱり?行動不能の人も多いし……」
「最悪リーダーは技の持ち主に会えれば何とか出来るけどね」
「流石テイラー。超優秀」
まぁ、概念系の空間術に干渉するって事は、ある程度技の持ち主の頭に影響するけどね。テイラー、やっぱ怒ってたか。
「まぁね〜。何時交代にするこれ?」
「ボクは死体だから疲れないけど、テイラーは定時に上がりなよ。明日は、やるんでしょ?」
「正解⭐︎百匹ぐらいは持って行きたいな」
そんなボクたちの目の前に、巨大なドラゴンが立ち塞がる。
「こりゃ〜、」
「強敵だ」
テイラーはドラゴンに飛び乗った。じゃあボクは撹乱だね。
魂が安定してる……多分これ成功作だわ。向こうも本気で来てるっぽい。
テイラーは鱗と鱗の隙間に“楔”を差し込んでいく。そのままちょっと離れて、
「ボン⭐︎」
楔の通りにドラゴンの体が裂けて行った。相変わらず強いね。




