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フォニックス オワリノハジマリ  作者: ことこん
第八章 拝啓、僕らの心より
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第四部 わからないこと

 キリュウは楽しそうに僕らを煽って来るばかりで、攻撃なんてする素振りはどこにもない。なんか楽しそうだけど。

「で?攻撃して来ないの?」

「え?だって、殺す前にちょっとでも遊んでおきたいじゃんか〜」

完全に舐められてるな、これは。

「そんなだから、君は『キリュウ』なんだろ。

……って言っても、君みたいな奴に意味なんて分かりっこないか」

随分安い挑発だ。でも、キリュウは途端に面白くなさそうな顔をした。

「……やっぱボク、キミのこと嫌いだ」

キリュウは炎をその手に宿した。小さくても、底なしの力を孕んでいるのを感じた。

「そ」

僕はガードを張った。気休めだけど。

キリュウの放った炎は、僕のガードなんて空気同然と言わんばかりに貫通して、僕のいた所を焼き尽くした。

「あはは、キミ、努力すれば天才にもどうとか、言ってたみたいじゃん?」

それを言ったのは、記憶の中で一人しかいない。

「……スインから?」

多分スインが伝えたというより、スインの見聞きしたものがこいつらに共有されてるって感じか。

「うん、そうだよ〜」

キリュウは楽しそうに何発も火の玉を飛ばして来る。研究所がどんどん壊れているような気がするけど、それは良いんだろうか?

「レオン、どう?」

「普通に当たりたくねーな」

「だろうね」

避けれない程じゃないけど、まさかこれが本気な訳ないだろう。ジワジワ量を増やして行って、逃げられなくするのが狙いなんだろう。

なんか、こいつの考えてる事、よく分かるんだよね。なんでだろ。

……ちょっと怖いな。

「レオン、ワンチャンに賭けよう」

「なんだ?外に出るのか?」

「もし出たって、きっとキリュウも出れるんだろ?それに、あの狭い通路で技を出されたらどうするんだよ」

「……確かに」

実験体が出れて、部外者は出れないなんて。普通逆だと思うんだけど。

「地下に行こう」

「……分かった」

キリュウの火球を避けながら吹き抜けまで行き……跳び降りた。

「え!?ちょっと待ってよ!」

キリュウは振り切れそうだ。

ここから先、地獄が待ってるのは想像に難くない。でも、どうせ死ぬなら、知りたいじゃないか。

僕について。


 結局、レオンとは空中で別れてしまった。

着地はとりあえず落ちる途中で柱に蔦を絡ませてしたから、大丈夫だったけど。

相変わらず無機質な部屋だけど、腐っているような、ちょっと食べ物っぽいような、でも不快な動物の匂いが漂っている。妖気的に普通に人いるけど……こんな所にいたら鼻がおかしくなりそうだ。

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