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フォニックス オワリノハジマリ  作者: ことこん
第五章 それでも、あなたは
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プロローグ star(e)

 僕、ドラセナは破壊神の家らしき場所。

起きてすぐに首元に痛みを感じた。手刀で気絶させられたのだろうか。

というより、手は後ろで、足は揃えて縛られていて、技は使えなさそう……随分と警戒されている。

僕がどうしようとそこまで困りそうにないのに。

あの人ではない誰かが近付いて来る。

身長はフィラより一回り小さいくらい。日に当たっていないのか不気味な程に白い肌。

向こうは無言だったけれど、深い皿に入った湿ったフライ?とスプーンを置いて出て行った。

とりあえずは僕を生かしておくらしい。

あいにく自決剤なんて仕込んでいなかったが、どうするべきか悩んでいると、あの人が入って来た。

僕をベッドに座らせると、

「おっはよう♪

気分は……流石に最悪か」

「僕を生かす意味なんてあったんですか?」

その人は歯を出して、ニカッと口角を上げた。

「俺がそうしたかったから。他に何かあるか?」

「それは失礼」

その人は先ほどのよく分からない料理を僕の前に持って来る。

「食いたい?」

「……それ、一体全体なんなんですか?」

「知らねーの?カツ丼だよカツ丼!

取り調べの定番だろ?」

「知りませんよ」

その人は技で僕の腕を解放すると、

「とりあえず、それ食え。

セナちゃんのお口には合わないかもしんねーけど」

……何故か名前を知っていた。

その人は僕をずっと見て来る。初めての食べ物に戸惑う様子が見たいのか。

スプーンで何かのフライを剥がすと、汁でひたひたのライスが現れる。

得体の知れないものが食べなれないものの上に乗り、よく分からない調理がなされている……。

「……いただきます」

全く抵抗がないと言えば嘘になるが、話が進まないので口に入れてみる。

……食べれなくはない。

「どーだい?チビのカツ丼」

先程の人はどうやらチビと呼ばれているらしい。もっとマシな名前はいくらでもあったろうに。

ひとまず食べ終える。

「……ご馳走様でした」

その声を聞いてか、チビさん?が片付けに来た。

「さーてと、楽しいお話しタイム〜」

その人は僕の手を再び縛ると、ベッドの上に座った。

真横に生の気配を感じるが、温かさなんてない。

「セーナちゃん♪」

「なんで名前知ってるんですか」

「知りたい?」

「まぁ、はい」

「だってさ、この前首斬りが行ったろ?

そん時に聞いたんだとよ」

「……なるほど」

「ツレねーなー。セナちゃんは帰りたくないの?」

「ちゃん付け、やめてもらって良いですか?」

「なんで俺がセナちゃんの言うこと聞くんだよ?」

それは、緩やかな下り坂の始まりだった。

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