第二部 猪突猛進
それを聞いたテイラーは笑い出す。
「リーダーは本当、キャパけねぇっすね」
「どこやったっけ?会議室」
「これじゃねーっすか?」
と、テイラーが指差した部屋の壁を殴ってみる。
「ニ」
壁を吹き飛ばし、中にいた人間と対面する。
……と思ったら、床が壊れて落ちて行く。
『ちょっとリーダー?ボク下にいるんだけどー?
ボク死んじゃうじゃーん!もー死んでるけど⭐︎』
『すまん』
……やりすぎてしまった。
向こう側の壁も崩落し、外の景色が見える。
「リーダー、めどいっすよこれ……」
「……もうそれは面倒でええやろ」
『誤魔化さないでよっ!』
「うっ……はい……すみませんでした」
サリィは相当怒っているらしかった。ここは素直に謝った方が身のためだ。
それはそうと、会議室を跡形もなく破壊したせいか、背後から色々なものが迫って来ていた。
「多分、北東にいた奴らっすよね?」
そいつらはもう、人や動物なのかも怪しかった。
被験体にしようとして失敗したのか、カプセルで育てようとして失敗したのか、何かとくっつけようとして失敗したのか、それとも……。
服らしい布を身に纏っているものはいるが、文化的な要素はほとんど感じない。
「リーダー?」
「……なんでもあらへん」
嫌やなぁ。ただの人は普通に攻撃できるんやけど……こうもそっくりやと、急にやり辛くなる。
……ま、えっか。
俺はこうやって生きるしかないんやから。
「三」
今度は北東の部屋を破壊する。
しかし、床は破壊されなかった。
「よし」
「……こんなに派手にやって、大丈夫なんすか?」
「知らん」
「知りましょうよ、せめて……」
あと六部屋。
でも、電気はまだ点いている。動力はこの二つの部屋にはないんか?
「……リーダー、気ぃ付けて下さい。
カナケネェ奴が来まっせ」
その言葉通り、被験体の部屋から出て来たのは、何もかもが真っ白な鹿の少年か少女。立派な角が生えているので、少年かもしれない。
少年の首に取り付けられた首輪だけが、唯一黒光りしていた。
「テイラー、あんたは逃げぇ」
「……り」
テイラーが逃げ始めても、少年は何もしなかった。
「コンニチワ」
そんな声が聞こえたが、少年の唇や喉は動いていない。しかも機械音声のようだ。
だが、少年からは人間の妖気や息遣いを感じる。どう言う事だ。
「イマカラアナタノザンゲヲオテツダイシマス」
と言われた頃には空間術の中。
そこにいたのは少年ではなく、今まで俺が殺して来た奴ら。
「なるほど」
俺目掛けて襲ってくる。そりゃそうやろな。
本日で毎日投稿は終了とさせて頂きます。
明日からは、日曜日20時の週一投稿となります。
これを境に、別作品および別サイトでの活動も再開して行くことになると思います。
ストーリーの進度は急に落ちますが、どうかご了承下さい。




