第三部 chemistry
俺はミネーシャにもう一本貰いに行った。
ミネーシャは意外にも軽々と動きながら球体に注射していた。
「こっちは大丈夫だ。
あ、でもどうやら向こうにもどんどん流れ着いているみたいだ……キリがないな」
とミネーシャが行ったのが聞こえていたのか、ニアがコウモリの翼を出し行こうとしていた。が、
『ニア。ライトも連れてって』
というフィラの声を聞くと俺を抱えて飛び上がった。
『えええっとえっと、海流的にはっ、右手に見える灯台があるしっ島ですっ』
と聞き慣れない声の通りにニアが飛ぶと、本当に何やら怪しい白い建物。
ベルトコンベアーに乗って、球体がボトンボトンと海に落ち、流されていく。
「こりゃー、あっからさまだなぁ」
とニアは茶化して言うが、すぐに島に降り立った。
『とりあえず、その島にいる人全員島の外に出して』
とフィラが言うので、その通りにすることにした。
勿論、相手は俺たちを攻撃して来るが。
あれは、銃だろうか?
と思っていたら銃弾が来たので慌てて避ける。
今までも立派にそうだったが、ナチュラルに法律違反してやがる。
俺は銃を避けて人を気絶させ、ニアが島外へ運ぶ。
十五分くらいで、およそ三十人を運びきった。
俺たちも出ると、空からやって来たのはツーハで、
「破滅の光、二十パーセント」
と言うと、島が光に包まれた。
それが消えると、そこには建物だった物だけが鉄筋だけ残して佇んでおり、島全体が茶色の世界だった。
これで二十パーセント……ツーハはもう怒らせちゃいけねーな……。
『お疲れ。あとは、砂浜のやつだけかな?』
一方、砂浜に残った俺、セイは、ミネーシャの止まらぬ探究心のせいで窮地に陥っていた。
今の状況をできるだけ簡単に説明すると、全て片付けたミネーシャが嬉々として少しだけとっておいた液体で何やらしていたせいで、後続の球体を止める術がなくなっている。
「おい!おーーい!」
いくら叫んでも目もくれない。
俺は戦い、なんとか一旦退けた。
「頼むから!話聞いてくれ!」
かく言うベリーマリーはと言うと、マイペースなことに飲み物を買いに行ってしまった。
こうなったら仕方ない。
俺は液体を蒸発させる勢いで熱した。
……良かった、流石に行けた。
中々順調に行っていたのだが、一気に流れてきて対処しきれなくなった。
「おっと、僕が必要かな?」
「早く来い!一秒でも、一瞬でも!」
俺、元々妖力量が多い訳じゃねーし……まだまだフィラは遠いな。
ミネーシャは次々と球体を無力化させていく。




