表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
フォニックス オワリノハジマリ  作者: ことこん
第二章 囮(第一段階)/思案の森
10/44

第五部 立ち入るは魔女の家

 破壊神は、僕を目を細めて見る。

上、下、上、下。

「……猫の国に直行しようと思ってたんだが、予定変更だ。

おもしれー奴、見つけちまったし」

と言うと、今度は目を大きく見開き、口角をぐいっと上げた。

「なーなぁー遊ぼーぜー」

何も言わず見つめていると、攻撃が飛んできた。

同じ水属性の様だが、スインさんのとは圧倒的に量が違う。

僕は横に跳んで避ける。

「ふーん、じゃあ、これは?」

周りがどうなろうとお構いなしという様子で、洪水を起こした。

それを凍らせ、その上を滑る。

「……おもしれぇ」

その人は突っ込んできた。

避けたつもりだったが、左の脇腹に痛みを覚える。

「さー、どうする?」

傷は自分で回復できるけれど、時間稼ぎしか出来なさそうだ。

男は再び近づいてくる。

同じ様に避けたはずなのに、顎を掴まれる。

「どーする?」

顔を近づけてくる。

濁った灰色の目と自分の目が無理矢理合わさる。

相手の顔に吹雪をぶつけ、脱出する。

「すっげー久しぶりに、めちゃくちゃ楽しーぜ。でも、こっち側じゃなさそうなんだよな、まだ。

名前、なんての?

……答えるわけねーか」

その人はゆっくり近づいて来る。僕が離れても、全然距離が広がらない。

「あんた、相当面倒くさいクチだろ。

誰かのため、って大義名分がなきゃ動けない癖して、どこかで人に従うのは馬鹿らしいと思ってる。

……兎の皮被った狼なんじゃねーの?

自分で一番分かってると思うけど、従おうと思ってる奴ほど、うざったらしく感じてるだろ」

「だからなんです?」

「しらばっくれたって無駄だぜ?

確かに、あんたには倫理がある。

だから思った事を実行しない。

でも、もし法律が無かったら、人なんて余裕で殺してる。

違うか?」

相手は目を細める。心底楽しそうだ。

「……想像するのは自由でしょう?」

「まーな。

じゃあ、実際どうなのよ?

俺の目には、狼が見えるんだけど」

「……生きてれば、誰でも不満はあります。

気に入らない事だって、あります。

それを受け入れて生きていくのが、現実なんじゃないですか?」

相手は笑い出す。

「つまり、俺に現実を見ろ、ってか。

いーねー。トゲがあって。

俺、気に入ったわ。

いつでもこっちに来いよ。歓迎するぜ?」

「……申し訳ございませんが、そちらに行く予定はないので」

そう言った後の記憶がない。


 目を覚ますと、知らない場所だった。

なんだか暗い。陽の光とは無縁のようだった。

ゆっくりと辺りを見まわし、気づいた。

ここは、あの人の家なのだと。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ