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では気分転換に、のちに"勇者"と呼ばれる青年が魔王から王女を助け出す話をどうぞ  作者: 神山
序章 ー分岐点ー

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page.21 第2の刺客

弾「へへっ、治しきってくれよ」

 ソトーの悪質な行為で既に疲弊しきっている弾。遊に起こしてもらい、鑑時に肩を支えてもらっていた。少し遅れて戻ってきたブレイブ。

戻る途中で遊の『アンタチャブル・ヒール』を目撃していた。スキルだとおおよそ理解していたが、回復スキルにしては中途半端な治り方をしていた。出血箇所はまだあるし身体もフラフラしていた。


ブレイブ「あんたのスキルはどういうものなんだ?」

 ブレイブは遊に質問した。遊は答えた。

遊「私のスキル『アンタチャブル・ヒール』は触れた半径1m範囲のものをなおすことができる。有機質無機物関係なくな。だが、1分経つごとに修復能力が低下する。だからこういう長時間の戦闘では治しきれないこともある」

弾「いって!!」

 遊は、少し笑いながら弾の身体を軽く殴った。当然痛みのある弾は激しい激痛に襲われ悶えていた。

 鑑時は、弾に合掌しぶつぶつとお経を唱えていた。それにキレ散らかす弾であった。

弾「死んでねぇよ!?」


遊「それより…」

弾「それより!?」

 弾をフルシカトした遊にツッコミをいれるが、顎を触りながら少しうつむく遊。

遊「コイツらは魔王の命令で私達を襲ってきた。ここに来ていることを把握もしていた」

ブレイブ「確かに…」

遊「ここに来ているのが、コイツらだけではないと考えるのが自然か…?そうなると…」

 ブレイブは、遊の思考しながら話す姿を見て一抹の不安が過った。

ブレイブ「しまった…!セレーナ・ベトレイ達が危ない…!」


セレーナ「あれも!これも!美味しいわぁ~」

 セレーナは、幸せそうに落ちそうになる両頬を両手で支えていた。それをみてティターニアとラーボも同じような仕草をした。

ティターニア「セレーナさんとても気が抜けていますよっ」

セレーナ「だって、こんっなに幸せなことなんてないよ~!しかもこんな場所にモンスターや魔族なんて来ないでしょ!見張りとか頑丈だし」

ラーボ「確かに、安全な国ですよね!だからこんなに発展しているとも言えますし」

 セレーナ達は、ほぼ同時刻で起こっている弾達と魔族の戦闘を知らなかった。位置的には2㎞ほど離れており、人の声や店の機械音で遠くの音はかき消されていた。


 そんな3人に近づいているターバンのようなものを被った男がいた。カシャッ シャッター音が聴こえてその音に反応した3人。

 その男はファインダー越しに3人に手を振っていた。それに少し困惑しながら手を振り返す。

写真の男「そこの美人達ー写真撮るネ!写真撮るヨ!」

 カタコトのようにも聞こえる発音に違和感を覚えたが、3人は地元の写真家くらいに認識した。

セレーナ「写真…?どうする?」

ラーボ「記念にどうですかー!?」

ティターニア「あ…私は遠慮しておきます。"コレ"がありますし…」

 ティターニアはフードで隠した角を指差しながらやんわりと断ろうとした。

セレーナ「確かにそうね、ごめんなさい写真の人。やめておくわ」

 セレーナは断りを入れて通りすぎようとした。しかし、写真の男は食い下がりティターニアはフード被ったままでいいから!と言い半ば強引に写真を撮り始めた。

 写真撮るだけなら害はないし何枚か撮ってもらったら立ち去ろうと思っていた。

写真の男「イイネイイネ!3人とも写真映えするネ!」

 色んな角度から撮り続ける写真の男は、最初は屋台を背景に食べ物を持つ所を撮った。次第に人だかりが少ない場所へ変えた。

 撮る度に褒め言葉を添える写真の男に3人は乗せられてポースをつけるようになった。

 最初にティターニア

写真の男「フード被っていることによるミステリアス!隠れているのに妖艶な雰囲気を隠しきれてないその美貌イイヨ!!」

 次にセレーナ

写真の男「かさの深い帽子とその杖がいいアクセントになって力強さの中に女性らしさを感じるヨ!」

 最後にラーボ

写真の男「小柄で子供っぽい雰囲気!今後に期待ダネ!」

 一通り撮った写真を渡され満足げな3人。ラーボだけは褒められてなくないか?と疑問でふてくされいた。お礼を言って立ち去ろうとした3人の行く手を写真の男が遮った。ん?となる3人は写真の男の手をみた。

 手のひらを3人に差し出してこう言った。

写真の男「オカネ」

セレーナ「はぁ!?金取るの!?」

写真の男「オカネさ!タダで撮るわけないネ!舐めちゃダメネ!」

 先程までのほんわかした空気が一瞬で変わった。理不尽を押し付けて圧を与えてきた。

ラーボ「え~…お金って言ってもご飯とかであんまりないよ…」

写真の男「オカネないの!?」

 激昂する写真の男にビクッとなってしまうティターニア。それをみた写真の男はゆっくりティターニアに近づく。その口元はニヤッと笑っていた。

写真の男「それなら代わりのもの寄越すネ…」

ティターニア「代わりのもの?」

 写真の男はティターニアのフードを取った。

ティターニア「きゃあ!」

 その一瞬の速さに悲鳴をあげることしかできなかったティターニア。

写真の男「なら、その命もらうネ…同族よ」


 写真の男は頭に巻いていたターバンのようなものを外した。すると、2本の角が露になった。

ラーボ「2本の角って…魔族ぅ!?」

 驚くラーボと即座にティターニアとの間に入ろうとするセレーナ。

セレーナ「その汚い手を離しなさいっ!」

 セレーナは杖を取り出し、ティターニアまで伸びた写真の男の手を杖ではたき落とそうとした。しかし、反射神経で負けて後方へ逃げられてしまった。

ティターニア「あ、ありがとうございます…」

 へたっとそのばに座り込むティターニア。お礼はコイツを倒してからと一喝するセレーナ。


写真の男「命貰う前に自己紹介するネ。私の名前ははロンゾ、魔王様にあなた達を殺すように命令された」

 写真の男ことロンゾは、地面に落としたターバンの端を掴み拾った。

セレーナ「私達を殺しに来たって!?何よそれ!聞いてないんだけど!?」

ラーボ「あり得ない話ではないですよ…第一陣が先に魔王討伐に向かっているんです。用心しますよ」

 やけに冷静なラーボに、つられ少し冷静さを取り戻すセレーナ。だが、メンバー的に戦闘が出来るのは強いて言えばセレーナだけである。


セレーナ「私がやるしかないのねっ…!」

プロフィール

ラーボ・プジェフスキー(9)

パーティメンバー最年少 ブカブカな帽子を被る少女。他のメンバーと比べるとこれといった特徴がなく、悪く言えば影が薄い。でも、成長性は期待大??

スキル:シーフー・DQN(ドキュン)

敵の懐に潜り武器を盗んだり、ダンジョンへ行けば宝箱や開かずの扉の鍵を開けれる。

パワー:C スピード:C 間合い:C スタミナ:C 防御:C 特殊性:B

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