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では気分転換に、のちに"勇者"と呼ばれる青年が魔王から王女を助け出す話をどうぞ  作者: 神山
序章 ー分岐点ー

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page.22 第2の刺客 2

 屋台通りを走り抜けるブレイブ達。息を切らしながら周りを見渡す。しかし、どこにもセレーナ達は見つからない。それにブレイブの探知はこの人ごみでは発揮できない。

遊「まずいな…女の子達でもし魔族と出くわしでもしたら…それにライアと言ったか?そっちは1人でいるはず…油断した」

弾「ったく!手分けするか?」

鑑時「それは愚策…戦力を分ければそれこそ魔族の思うつぼ」

ブレイブ「…」


セレーナ「私がやるしかないのね…」

 セレーナは杖を両手で強く握りしめて構えた。視線の先には写真の男ことロンゾがほどいたターバン片手に不敵な笑みを浮かべていた。

 ティターニアとラーボは戦いをした経験はない。セレーナも攻撃魔法は会得しているが実戦経験はないに等しい。セレーナが会得している魔法は、

 カルム:回復魔法で生物なら治すことができる。しかし、蘇生は不可

 ゾーフィ:攻撃魔法で杖の先端に魔方陣を作り出し、レーザーのように発射できる。

 テンテ:防御魔法で杖の先端に魔方陣を作り出し、魔法陣の防御ができる。

 どれもセレーナの精神次第で強弱する。今のセレーナの精神状態はどうか?浮かれた状態から窮地に叩き落とされ、戦えるのは自分だけで他の2人の命を預かるという。とても平常心でいられるわけがなく、目付きは立派であるが、手元をみれば震えているのがよくわかる。


セレーナ「(ヤバい…手が震えている…!手汗で杖を滑らせて落としてしまいそう…この緊張感は準備していないわよ)」

 ロンゾはセレーナの手の震えを見て、既に勝利を確信していた。

ロンゾ「んふっんふっ!」

セレーナ「なにその気持ち悪い笑いかたっ!ムカつくわね!」

ロンゾ「大声を出して、押し潰されてしまいそうな重圧から逃れようとしてるネ」

セレーナ「るっさいわね!くらいなさい!!ゾーフィ!」

 先制攻撃はセレーナ。構えた杖をロンゾへ向けて魔法陣を展開。しかし、発射前にロンゾに何か違和感があった。ロンゾの周りにしかなかったターバンがこちらへ這うように伸びていたのだ。

ロンゾ「先手必勝ネ」

 ターバンがセレーナの足元に絡みついた。右足と左足に2周ずつ巻き付いた。まるで触手のようにドンドンセレーナの身体に巻きつくのである。セレーナは足をとられ膝をついてしまった。

ティターニア「セレーナさんっ!!」

 ティターニアの心配もむなしく、足の次にセレーナの両手を巻き込んで腰を縛り上げた。

セレーナ「うぅっ……!」

ロンゾ「んふっんふっ!たまらないネ…!!」

 ロンゾはゲスのような笑いが止まらなかった。ターバンの先端がセレーナの胸を撫ではじめる。

 ネットリとした触りかたは操るロンゾの趣味であろう。屈辱と悪寒で一杯のセレーナ。


セレーナ「こ…のっ!変態!!」

 セレーナは抵抗しようとするが、重心を崩されて上手く身体に力が入らないのであった。

 ティターニアはセレーナに近づき、ターバンをセレーナから離すことはできないかと引っ張っていた。だが、見た目どおりのひ弱な力ではターバンはびくともしなかった。

ティターニア「セレーナさん!私が何とかしますっ!、だからっ!」

セレーナ「…!ティ、ティターニア…」

 セレーナは締め上げられ、胸より上の肌が赤くなってきた。胸が圧迫されて横隔膜がうまく広がらず呼吸も浅くなってしまっている。

ロンゾ「ゆでダコになって死ぬネ!そして、順番に…」

 ロンゾはまずは1人と言わんばかりに勝ち誇っていた。しかし、死角から何かが後頭部に強い衝撃を与えた。

その衝撃でターバンの操る手が緩みセレーナを離してしまった。

ロンゾ「ぐはっあ!!痛いネ痛いネ!なんなんだ!?」

 ロンゾは後頭部を必死に押さえていた。押さえながら周りを見た。太陽の照り返しで鮮明には把握できなかったが、男が歩いているのが見えた。

セレーナ「げほっ!げほっ!」

 セレーナは嗚咽をしながらその男を見つめた。ティターニアはセレーナに寄り添い、その男の登場に涙した。

ティターニア「…!ライアさんっ…!!」


ライア「見てられねぇな、お嬢ちゃん」

プロフィール

清家 弾(18)

スキル:クレイジー・アイズ

隙視とも言われる。相対している人間の筋肉や汗や拍動などを視ることができる。応用して相手の重心のズレを見抜きそこをついて攻撃に転用したり、攻撃を微妙にずらして威力を弱める。ソトーの執拗な殴りもこれで軽減していた。

それ以外のフィジカルなどは全部自前である。

パワー:A スピード:B 間合い:C スタミナ:A 防御:B 特殊性:A

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