魔王化儀式④
「なんだと……!」
前魔王からお喋りと称して魔王という存在について聞かされ、カシムは驚きを隠せなかった。
元々魔王とは、このマーリオットという世界を作った神の様な存在だった。
それは少しずつ少しずつ世界を発展させ、自らの容姿に似た者達も魔力を粘土の様にこねて形作った。
最初は何も出来ない知能も低い存在だったが、次第に意思を持ち始め各々で生活ができるようになった。
しかし愛情込めて作った可愛い人達は互いに互いを殺し合ったり、憎んだり、貶めたりし始めてしまった。
せっかくの作品が壊れてしまう、それならば自分で壊した方がマシだと考えた。
そこで魔族や魔物を作り、人達を襲い滅ぼそうとする。
しかし人達は独自の魔法を編み出し、相手が魔力を使用し疲弊しているところを狙った。
そして魔王は魂を抜き取られ封印されてしまった。
残された魔族や魔物は統率者を失い、一度は虐殺されてしまうが、残った者達で細々と子孫を反映させていった。
そして封印された魔王は、その中で己が憑依出来る器をどうやって探すかを思考し始める。
時と共に戒めは弱くなっていくが、身体がなければ何も出来ない。
封印の中でこそ生きていられる。
その為器を見つける方法を考えつつ少しずつ封印自体に改造を加えていった。
そして封印の綻びから外の世界へ、魔王の認識を曖昧にするよう仕向け、最高の器を手に入れる為条件をつける事にも成功した。
支配欲や向上心のある者ならば、必ず自分の元にやってくると信じ、待ち続けた。
それから現在よりおよそ数千年前、ようやく網にまともな獲物がかかったのである。
すぐにバレないように徐々に精神を侵蝕していったが、それが仇となり怪しまれ相手側に準備をさせてしまった。
その結果、再び封印されたのである。
『そんなわけで、この機会を逃すわけにはいかないわけだ。
……さぁて、だいぶお前に俺が馴染んできたな。
いただくぜ、お前の身体っ!!!!』
「ぐっ…………!!頭がっ…割れるようだ!!」
突然、カシムの頭に激痛が走る。
頭を抱え、何とかしようともがく。
しかし強烈な痛みは増していき、カシムは気を失ってしまった。
(リ…リアム……)




